一つ一つ重ねたカミは

「D~Jェ」
「な、なんですか……」
「態度悪ィ」
「すみません……」
「自覚、あるんだ?」
 しまった。
「なァDJ……最近ちょーっとチョーシ乗ってんじゃねえ?」
「乗ってませんよ……」
「いーや乗ってるね」
「乗ってませんって」
「その態度がもう調子乗ってんだよ」
「……パンチさんだって」
「あ?」
「……なんでもないです」
「なんでもねーって顔じゃねーよなァ」
「すみません……」
「言いたいことがあるなら言ってみろ。言えるならな」
「パンチさんだってなんかイラついてるんじゃないですか」
「は? おれッチは別に普通だし」
「普通、ですか」
「そうだよ」
「じゃあさっきから角をタンタンってやってるのはなんなんですか」
「……」
「パンチさん」
 バチン!
「ひっ」
「いい顔」
「やめてくださいよ……」
「おれッチがやめると思うか?」
「思いませんけど」
「わかってるじゃん? なら」
「なら何だって言うんです」
「元に戻れって言ってんの」
「……」
「紙ッぺラとしてのシアワセ考えろ?」
「パンチさんは」
「……」
「私のために言ってるんですか、それ」
「トーゼンだろ? おれッチってばちょーシンセツだし?」
「……そう、ですね」
「あ?」
「パンチさんは……親切ですね」
「だからそういうの……」
「……はい」
「やめろって言ってるのに……」
「……」
 沈黙が落ちる。
 平常じゃない。
 それはもうとっくの昔からそうなっていて。
 歯車が狂っている。確実にそう。
 今回ばかりはどうにかできるような気がしない。
 だけど私に「覚悟」なんてなくて。
 沈黙を沈黙のまま流し続けることしか、できなかった。
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