一つ一つ重ねたカミは

「パンチさん」
「あ?」
「パンチさんって太陽が好きなんですか?」
「は? なんでそういう話になるんだよ」
「だって太陽攫ったじゃないですか……」
「好きってか、そっちの方が楽しいから空けただけで、別に好きなわけじゃない」
「そうなんですか」
「そうだよ」
「じゃあパンチさんは太陽なんですか?」
 気が付くと訊いていた。
 訊いてはいけないと思っていたのに。
「おれッチが太陽?」
 ハ、と笑うパンチさん。
「だったらオマエは何になるんだ」
「え、なんで私の話になるんですか」
「対になるもんがあった方が面白いだろ」
「いえ、でも私は……」
「そこは多少調子に乗って月ですーとか言っとけよ、ノリ悪ぃな」
「す、すみません」
「あーでも月じゃねえかオマエは。何だろな」
「……」
「オールナイトとか?」
「それ物じゃないじゃないですか」
「じゃあ夜」
「夜……」
「いいだろ、オマエ暗いし」
 意外と安直な理由だったことに驚くようなしかし納得もするような複雑な気持ちで私はそれを聞いていた。
「夜、いいな夜。今夜もオールナイトしろよ。約束だぜ」
「は、はい……」
 約束なんかしなくても付き合いますよ、という言葉は心の底に封じておく。
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