一つ一つ重ねたカミは

「DJ」
「なんですか」
 呼ぶと秒で答えが返る。その関係性に慣れてからしばらく経った。
 穴を空けたくて仕方がない。その欲を抑えてまで側に置いてやってることにもう少し感謝されてもいいと思うんだがな?
「DJェ」
「は、はい」
「オマエ、幸せか?」
「えっ……?」
「おれッチの側にいられて幸せか?」
「し、しあわせって……」
「どうなんだよ」
「あ、えっと……」
 言い澱むDJをじっと見る。
「わかりません」
「わからない、だぁ?」
「違うんですその……パンチさんを見ていると」
「何」
「胸がいっぱいになって……何か、よくわからないですけど」
 それを聞いた瞬間、ああ、今すぐこいつに穴空けてえなと強く思った。けど、
「へえ。そりゃよかったな」
「よかったって……」
「おれッチに感謝しろよ、DJ」
「ええと」
「感謝」
「あ、ありがとうございます……」
 それだけで済ませてやったおれッチは褒められてもいいと思う。
 穴は空けたい。
 その衝動を持て余したまま、いつまで続くか。
 試してみるのも悪くないと思ってしまうおれッチは日和ってるのかなんて考えるのもナンセンスだが、
「せいぜい頑張れよ」
「ありがとうございます……?」
 こんな奴のこと、どうせ穴を空けた後はすぐ忘れてしまうに決まってる。でも。
 今だけはこうしていてもいいかもしれないと。
 そう思った。
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