「年越しですねえパンチさん」
「……」
「パンチさんは年越しって過ごされたことあるんですか？」
「知らねえなそんなのは。職人さんはイベントごととかあんま関係なくオリガミ折る人だし」
「真面目な方だったんですね……」
「DJ、オマエだって年越しは仕事なんじゃねえのか」
「年越しオールナイトフィーバーは今年は弟子くんの担当ですからね」
「へえ……？ オマエいいのかそれで」
「いいっていうか、まあ私もたまには平凡な年越しを過ごしてみたいとか、思ったんですよ」
「……」
「パンチさんはどうですか、平凡な年越し」
「今から踊りに行くのも悪くはねェが」
「今からですか」
「でもオマエと一緒なら平凡な年越しでも、ってよくねーよおいなんかかけろDJェ！」
「ヒッ横暴！ でもそう言うと思って準備していた私がいます！」
「さすがだなDJ！ やっぱオマエは特別だぜ！」
「ありがとうございますパンチさん！ それじゃあいくぜ！ あなただけの！ 年越しオールナイトフィーバー！」

　そうやって私たちの年越しは部屋でオールナイトフィーバーして過ごしたのだった。