不在の冬

「また……会えるか、ギルデロイ」
「喋るな、相棒」
「また、会えるか」
「会える、会えるさ……だから喋るな……頼むから……」
「フ……やはりお前はお人よし、だ、な……」



 最後に吐いた嘘がいつまでも俺を責め続けることを贖罪とするか戒めとするか、何にしても「俺らしくない」のは確かで、変わってしまったこの身を嘆くのもまた、「らしくない」。
 それでもいつも夢に出るあいつに変わらぬ嘘を吐き続けるのもまた、俺だった。

 遠き夏のこと。
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