魔法少女クレス
「ぶわあああ!」
「何だアリストロ、うるさいぞ」
「な……ナスターシャム! なんだその服は!」
「ナスターシャムではない、クレスだ」
「ナスターシャム! なんだその」
「二度言わなくてもわかる、あとこれは服ではなく装備だ」
「装備だと!?」
「ふわふわパニエ、シックなヘッドドレス、あと……」
「説明しなくてもいい、その……許されない! その服は許されないぞ、ナスターシャム!」
「何が許されないんだ?」
「かわ……ンン、いやその……衆愚どもが貴様に釘付けになってしまう! 愚かなりナスターシャム!」
「何を言ってるのかさっぱりわからん。そろそろいいか?」
「待て、よくない!」
「いくぞギル助」
「おうよ、クレス」
「「トランスフォーム!」」
「ま、待て、その衣装でトランスフォームするのはっ」
「問答無用! それに衣装ではなく装備だ! くらえ!「「スーパースノーサンシャイン!」」
「ぐわー!」
◆
「なあ、ギル」
「なんだー?」
「アリストロはいつも意味不明だが今回は特に意味不明だったな。あいつは何が言いたかったんだ?」
「あーそのー……なんだ」
「?」
クレスは首を傾げる。
「ぐっ」
ギル助が胸を押さえる。
「まあなんだ、たぶん、お前が……」
「俺が?」
「かわいすぎる、みたいな……」
「ふっ、なんだそれは」
吹き出すクレス。
「俺がかわいいだと? やはりアリストロはおかしい」
「あーその」
「何だ、ギル」
「俺も……」
「お前も?」
「なんだ、その、お前がかわいいってのはたぶん……誰も否定しないと思うぜ」
「はは、まさか」
「………」
『俺もお前のことかわいいと思ってる』そう言いたかっただけなのに言えなかったのはなぜだろう、とギル助は思う。
これまで出会ってきた魔法少女には全員さらりと言えたのに、クレスに対してだけはなぜか調子が狂ってしまう。
自分とクレスはとんでもなく合うと思うのに、所々で調子が狂う。
それがなぜなのか、ずっと「マスコット」として役目を果たすだけだったギル助にはわからない。
「………」
「どうした、珍しく元気がないな」
「いや、なんでもねえ」
「今夜も飲むか?」
「ん……そうだな、飲もうぜ」
「……」
対して、少し不器用なクレスには、ギル助に元気のない理由がわからないのであった。
つづく。
「何だアリストロ、うるさいぞ」
「な……ナスターシャム! なんだその服は!」
「ナスターシャムではない、クレスだ」
「ナスターシャム! なんだその」
「二度言わなくてもわかる、あとこれは服ではなく装備だ」
「装備だと!?」
「ふわふわパニエ、シックなヘッドドレス、あと……」
「説明しなくてもいい、その……許されない! その服は許されないぞ、ナスターシャム!」
「何が許されないんだ?」
「かわ……ンン、いやその……衆愚どもが貴様に釘付けになってしまう! 愚かなりナスターシャム!」
「何を言ってるのかさっぱりわからん。そろそろいいか?」
「待て、よくない!」
「いくぞギル助」
「おうよ、クレス」
「「トランスフォーム!」」
「ま、待て、その衣装でトランスフォームするのはっ」
「問答無用! それに衣装ではなく装備だ! くらえ!「「スーパースノーサンシャイン!」」
「ぐわー!」
◆
「なあ、ギル」
「なんだー?」
「アリストロはいつも意味不明だが今回は特に意味不明だったな。あいつは何が言いたかったんだ?」
「あーそのー……なんだ」
「?」
クレスは首を傾げる。
「ぐっ」
ギル助が胸を押さえる。
「まあなんだ、たぶん、お前が……」
「俺が?」
「かわいすぎる、みたいな……」
「ふっ、なんだそれは」
吹き出すクレス。
「俺がかわいいだと? やはりアリストロはおかしい」
「あーその」
「何だ、ギル」
「俺も……」
「お前も?」
「なんだ、その、お前がかわいいってのはたぶん……誰も否定しないと思うぜ」
「はは、まさか」
「………」
『俺もお前のことかわいいと思ってる』そう言いたかっただけなのに言えなかったのはなぜだろう、とギル助は思う。
これまで出会ってきた魔法少女には全員さらりと言えたのに、クレスに対してだけはなぜか調子が狂ってしまう。
自分とクレスはとんでもなく合うと思うのに、所々で調子が狂う。
それがなぜなのか、ずっと「マスコット」として役目を果たすだけだったギル助にはわからない。
「………」
「どうした、珍しく元気がないな」
「いや、なんでもねえ」
「今夜も飲むか?」
「ん……そうだな、飲もうぜ」
「……」
対して、少し不器用なクレスには、ギル助に元気のない理由がわからないのであった。
つづく。