魔法少女クレス
「クレスクレス!」
「何だ、ギル」
「そろそろ装備を新調した方がいいと思うぜ!」
「装備だと? 魔法少女に装備の概念など……」
「それがあるんだよ! ふわふわパニエとかいい感じのヘッドドレスとか……」
「装備名がかなり胡乱だが大丈夫か」
「魔法少女の装備はかわいい名前なんだよ」
「かわいくなくても良いが……」
「かわいいお前さんにはかわいい装備が似合うだろ?」
「???? 俺はかわいくなどないが????」
「何を言うナスターシャム!!!!!」
中空から突然現れたのはスキンヘッドにごてごてした服を着た……
「出たなアリストロ」
「ナスターシャムを貶す者、それがナスターシャム当人であろうがこのアリストロ容赦せん!!!!!」
「うわあ……」
「マスコット君、きみは黙っていたまえ。私が用があるのはそこのナスターシャム」
「クレスだ」
「ナスターシャムなのだ!」
「用がないなら帰れ」
「用があったら来ていいのかナスターシャム!?」
「用があっても来るな。邪魔だ」
「フフフ……これを見てもそう言えるかな!?」
アリストロが取り出したのは小さな鳥籠。
の中に、
「たすけてくれー」
「なっ……」
「クレス、ありゃ鍛冶屋だ!」
「知っているのかギル助」
「知ってるも何も、ありゃお前さんの装備を頼もうとしていた鍛冶屋の……コタだ!」
「なんだと」
「フハハハハ……どうだ! これでお前たちも私に構わざるを得なくなったというわ」
「ホーリーサンダー!」
「ぐわー!」
クレスのロッドから雷撃が走り、アリストロに落ちる。
アリストロはたまらず鳥籠を手放し、床に落ちた鳥籠の蓋が開く。
「いてて……」
「大丈夫かあ、コタ」
「俺の力を抑えている服が……汚れて力が解放されてしまえば周囲一体が危険だ!」
「なにっ」
「あークレス、こいつは……」
「解放された力でとんでもなく素晴らしい作品を作り上げてしまい、その魅力で皆メロメロになってしまう!」
「あはは……」
「…………もしやこいつは」
「天才鍛冶屋だ!」
「アリストロの同類か?」
「なんだとナスターシャム! 私をそのような鍛冶屋と一緒にするなぐっ」
「帰れ」
アリストロの顎にロッドを押し当てるクレス。
「帰らないとお前の頭がどうなるかわかるな」
「そんな脅しに屈すると思ったか!? 愚かなりナスターシャ……」
「てっぺんにだけ髪を生やしてモヒカンスタイルにしてやろう」
「なっ……」
「その服装でモヒカンスタイル、周囲からの視線に耐えられるか、アリストロ?」
「くっ……卑怯なりナスターシャム! だが屈したわけではないぞ、気が変わっただけだ! 今日のところは勘弁してやろう、ははははは!」
アリストロはどろんという音を立てて中空に消え、去った。
「行ったか……」
ため息を吐くクレス。
「そうか、お前が助けてくれたのか、この天才を……ありがとうな」
鍛冶屋コタがクレスに握手を求める。
「礼はいい」
握手を断ることはせず、右手が軽く上下に振られる。
「コタ、こいつの装備を作ってやってほしいんだ」
「ん、おお、ギル助か……いいぜ、このお嬢ちゃんは強そうだしな、俺の装備も映えるってもんだ」
「お嬢ちゃんではない、俺は男だ」
「知ってる知ってる」
「なっ」
「魔法少女はみんなお嬢ちゃんって呼ばれるのさ、クレス」
「な……な……」
「まあ、慣れてくれ」
「…………」
ふるふると震えるクレス。
「細いね~お嬢ちゃん」
構わず採寸するコタ。
「もっと太ってもらわねえとな……倒れちまう」
とギル助。
その後採寸が全て終わるまで、クレスは無言を貫き通した。
「何だ、ギル」
「そろそろ装備を新調した方がいいと思うぜ!」
「装備だと? 魔法少女に装備の概念など……」
「それがあるんだよ! ふわふわパニエとかいい感じのヘッドドレスとか……」
「装備名がかなり胡乱だが大丈夫か」
「魔法少女の装備はかわいい名前なんだよ」
「かわいくなくても良いが……」
「かわいいお前さんにはかわいい装備が似合うだろ?」
「???? 俺はかわいくなどないが????」
「何を言うナスターシャム!!!!!」
中空から突然現れたのはスキンヘッドにごてごてした服を着た……
「出たなアリストロ」
「ナスターシャムを貶す者、それがナスターシャム当人であろうがこのアリストロ容赦せん!!!!!」
「うわあ……」
「マスコット君、きみは黙っていたまえ。私が用があるのはそこのナスターシャム」
「クレスだ」
「ナスターシャムなのだ!」
「用がないなら帰れ」
「用があったら来ていいのかナスターシャム!?」
「用があっても来るな。邪魔だ」
「フフフ……これを見てもそう言えるかな!?」
アリストロが取り出したのは小さな鳥籠。
の中に、
「たすけてくれー」
「なっ……」
「クレス、ありゃ鍛冶屋だ!」
「知っているのかギル助」
「知ってるも何も、ありゃお前さんの装備を頼もうとしていた鍛冶屋の……コタだ!」
「なんだと」
「フハハハハ……どうだ! これでお前たちも私に構わざるを得なくなったというわ」
「ホーリーサンダー!」
「ぐわー!」
クレスのロッドから雷撃が走り、アリストロに落ちる。
アリストロはたまらず鳥籠を手放し、床に落ちた鳥籠の蓋が開く。
「いてて……」
「大丈夫かあ、コタ」
「俺の力を抑えている服が……汚れて力が解放されてしまえば周囲一体が危険だ!」
「なにっ」
「あークレス、こいつは……」
「解放された力でとんでもなく素晴らしい作品を作り上げてしまい、その魅力で皆メロメロになってしまう!」
「あはは……」
「…………もしやこいつは」
「天才鍛冶屋だ!」
「アリストロの同類か?」
「なんだとナスターシャム! 私をそのような鍛冶屋と一緒にするなぐっ」
「帰れ」
アリストロの顎にロッドを押し当てるクレス。
「帰らないとお前の頭がどうなるかわかるな」
「そんな脅しに屈すると思ったか!? 愚かなりナスターシャ……」
「てっぺんにだけ髪を生やしてモヒカンスタイルにしてやろう」
「なっ……」
「その服装でモヒカンスタイル、周囲からの視線に耐えられるか、アリストロ?」
「くっ……卑怯なりナスターシャム! だが屈したわけではないぞ、気が変わっただけだ! 今日のところは勘弁してやろう、ははははは!」
アリストロはどろんという音を立てて中空に消え、去った。
「行ったか……」
ため息を吐くクレス。
「そうか、お前が助けてくれたのか、この天才を……ありがとうな」
鍛冶屋コタがクレスに握手を求める。
「礼はいい」
握手を断ることはせず、右手が軽く上下に振られる。
「コタ、こいつの装備を作ってやってほしいんだ」
「ん、おお、ギル助か……いいぜ、このお嬢ちゃんは強そうだしな、俺の装備も映えるってもんだ」
「お嬢ちゃんではない、俺は男だ」
「知ってる知ってる」
「なっ」
「魔法少女はみんなお嬢ちゃんって呼ばれるのさ、クレス」
「な……な……」
「まあ、慣れてくれ」
「…………」
ふるふると震えるクレス。
「細いね~お嬢ちゃん」
構わず採寸するコタ。
「もっと太ってもらわねえとな……倒れちまう」
とギル助。
その後採寸が全て終わるまで、クレスは無言を貫き通した。