繰り返しているのは罰なのではないか。そう思った周もあった。
　何への罰かはわからない。怪物に■■■しまった私への罰かもしれないし、外からやってきて暴虐をしたあの人への罰かもしれない。
　だからこうして何千何百万もの私とあの人が生きて死んでいった、そうなのだろうか。
　それもわからない。
　けれども罰だと思えた方が幾分か楽になるような気はした。
「D～Jェ」
「な、何ですか」
「シケた顔してんなよ」
「そ、そう言われましても……」
「せっかく生きるんだから楽しもうぜ？ ほら笑顔」
「……」
「笑えよ」
　ずい、と寄ってくるパンチさん。
　怖い。
「オマエひょっとして笑い方知らねえのか？」
「え、いえ、」
　知っているかと改めて聞かれるとわからなくなる。わかっているはずのことでも捉えようとするとわからなくなるなんてことはよくあることで。
「しょうがねえな、おれッチが教えてやるよ、おら来い」
「え、え、」
　角に引っかけられ、引き寄せられる。
「パ、パンチさ……」
　カチ。
　挟まれる感触。
「こうやって、こうする」
　何をどうやったのか、刃で私の口角を上げるパンチさん。
「あの……」
「何だよ」
「くすぐったいんですが」
「あ？ せっかくおれッチが親切にしてやってんのに文句言うワケ？」
「いえ、そういうわけでは」
　刃を当てられ、す、と引かれる。
　血の気が引く、けれどもその感触はどこか。
「や、やめてください……」
「やーだね」
　パンチさんはそれから散々私を引っかいて、その後飽きたのか寝てしまった。
　挟まれたまま動くわけにもいかないし、そうしているうちに睡魔が襲ってきて、こんな状態で眠くなるなんて私も案外図太いんだなんて思っているうちに眠ってしまって。
　起きるとDJブースの前にいて、昨日のあれは夢だったのかななんて思ったけど現れたパンチさんがよく眠れたか？ なんて聞いてくるものだからやっぱり夢じゃなかったんだとか思ったりして、よくわからない、何もかもがよくわからなかった。