一つ一つ重ねたカミは

 毎回振り回されている。
 ような気がする。
 気付いているときと気付いていないとき、差こそあるけれど基本的にあの人は悪魔だ。
 気付いてほしいと思う私と、気付いてほしくないと思う私と、そもそも自分自身が■■しているのにあの人にだけそれを求めるのは勝手すぎやしないかと思う私と。
 考えたって仕方がない、どっちにしたってあの人に次はない。
 私だけ。
 それじゃああの人は毎回違うのかって、そんなことは考えたくない。
 たくさんのあの人が毎回死んでいっているのかって、それはあまりにも救われなくて、いくらあの人が悪魔だからってそんなことが許されてたまるはずがない。
 本当に?
 怪物は罰を受けなければいけない。
 それは世界の道理。
 そして今の状態は私の意志、なのだろうか。
 わからない、わかってはいけない。そんな気がする。それに私だってまちまちで、気付くときと気付かないときと、どっちにしたって表に出すにはあまりにもダメージが大きすぎるから隠して、そうなのか?
 そうかもしれない、でも気付きたくない。
 今考えたことだって持ち越せるかどうか怪しいのに本当に私は――だろうか。
 わからない、何もかもわからないけれど、
『乗ったゲームを投げるなんてナンセンスだろ?』
 きっとあの人ならそう言うだろうし、今や私もそう思う。
 次があるのかなんてわからないけれど止めることはできない。
 そんな決意すら次にはなくなっているのかもしれないけれど。
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