一つ一つ重ねたカミは
涙が乾かない。
おかしいと思う。怪物の死に涙を流すなんて。
そもそもそんなこと許されるはずがないし。
でも悲しい。
これはきっと病気なんだ。虐げられすぎて頭がバグってしまったんだ。きっとそう、そうじゃなければこんなに悲しいはずがない。
毎晩しくしく泣いている。
自分でもみっともないと思う、それ以前に許されないと思う、けれど無性に悲しくて、泣く。
何がそんなに悲しいのか、解放されたことが悲しいのか、置いて行かれたことが悲しいのか、それとも■■が墜ちたことが悲しいのか、あの人の存在は私にとっていったい何だったんだろう。
考えても何もわからず、思考が涙で正常さをなくしていく。
泣く、泣く。
次の朝は必ず頭が痛くて水を飲む。
仕事は普通に行く。問題なく仕事はできるし、特に何も言われない。
記憶に蓋をして思い出さないようにしている。ひょっとするとそうすることでプレイに欠けが出ているかもしれないけど、仕事中にしくしく泣いてしまうよりはずっとましだ。
家に帰ってきて、寝る準備をして、ベッドに横たわったらまた泣く。
完全に蓋をして思い出さないでいれば楽なのかもしれない。でも、仕事中に色々なものを見て色々な曲をかけて、その体験というのはもうあの人を思い出さざるを得ないもので、そこに蓋をしているものだから蓋にはたくさんひびが入ってぎりぎりの状態で。
ベッドの中で蓋が壊れて、走馬燈のように記憶が走って悲しくて悲しくて胸がいっぱいになって泣く。
それが終わらない。
こんなに泣いていたらいつか悲しみも涙と一緒に流れてしまって悲しくなくなって、あの夜のこともあの人のことも思い出さなくなって、泣かずにすむようになるのかもしれない、なんて。
でもそれはそれで想像したら寂しくて寂しくて、また泣く。
どうして置いていってしまったんですか、どうして一人で行ってしまったんですか、どうして、強烈な光だけを私の目に焼き付けて消えてしまったんですか。
泣いても泣いてもそれは尽きなくて、どうしようもなく一人の世界で私は息ができなくなって、また泣く。
優しくはなかった、怖いだけだった、そのはず、そう思うのが「正しい」はずなのにその輝きが、■■があまりにも眩しくて、耐えきれなくて、
「――さん、」
口にしてはいけない名前を呼んで、今夜も一人で泣いている。
おかしいと思う。怪物の死に涙を流すなんて。
そもそもそんなこと許されるはずがないし。
でも悲しい。
これはきっと病気なんだ。虐げられすぎて頭がバグってしまったんだ。きっとそう、そうじゃなければこんなに悲しいはずがない。
毎晩しくしく泣いている。
自分でもみっともないと思う、それ以前に許されないと思う、けれど無性に悲しくて、泣く。
何がそんなに悲しいのか、解放されたことが悲しいのか、置いて行かれたことが悲しいのか、それとも■■が墜ちたことが悲しいのか、あの人の存在は私にとっていったい何だったんだろう。
考えても何もわからず、思考が涙で正常さをなくしていく。
泣く、泣く。
次の朝は必ず頭が痛くて水を飲む。
仕事は普通に行く。問題なく仕事はできるし、特に何も言われない。
記憶に蓋をして思い出さないようにしている。ひょっとするとそうすることでプレイに欠けが出ているかもしれないけど、仕事中にしくしく泣いてしまうよりはずっとましだ。
家に帰ってきて、寝る準備をして、ベッドに横たわったらまた泣く。
完全に蓋をして思い出さないでいれば楽なのかもしれない。でも、仕事中に色々なものを見て色々な曲をかけて、その体験というのはもうあの人を思い出さざるを得ないもので、そこに蓋をしているものだから蓋にはたくさんひびが入ってぎりぎりの状態で。
ベッドの中で蓋が壊れて、走馬燈のように記憶が走って悲しくて悲しくて胸がいっぱいになって泣く。
それが終わらない。
こんなに泣いていたらいつか悲しみも涙と一緒に流れてしまって悲しくなくなって、あの夜のこともあの人のことも思い出さなくなって、泣かずにすむようになるのかもしれない、なんて。
でもそれはそれで想像したら寂しくて寂しくて、また泣く。
どうして置いていってしまったんですか、どうして一人で行ってしまったんですか、どうして、強烈な光だけを私の目に焼き付けて消えてしまったんですか。
泣いても泣いてもそれは尽きなくて、どうしようもなく一人の世界で私は息ができなくなって、また泣く。
優しくはなかった、怖いだけだった、そのはず、そう思うのが「正しい」はずなのにその輝きが、■■があまりにも眩しくて、耐えきれなくて、
「――さん、」
口にしてはいけない名前を呼んで、今夜も一人で泣いている。