一つ一つ重ねたカミは

 流星群の夜、一人星を見上げて黄色を探す。
 流れ星みたいだったなんて追憶はいらなかった。ほんの一瞬強烈に煌めいて消えた、あの人が輝くのはいつだってフロアの中央、私の曲に乗って。
 褒めてくれた。ノってくれた。子供のようにはしゃぐ姿。
 違う、そんなのは違う、あの人は怪物だった、そう思わなければいけないのに、流れる星がディスコの悪魔にダブって。
 儚くなんかなかった、絶対に消えないと思っていた恐ろしくも美しい輝きが消えたあの日から、世界に朝が来て、私に夜が来た。
 止まない流星群。星が流れて空に一瞬穴が空く、それであの人を思い出すなんてみんなが知ったらどう思うだろう。
 永遠の夜にまだ囚われている。自覚なんかしたくなかったのに、星を見ると嫌でも思い出す。
 一度知った輝きを忘れることはできない。穴を空けて行った。埋められない穴を。
 こんな感情は知らない、知りたくなかった、思う側からまた星は流れて、それをずっと見上げていた。
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