つきのないよのゆめをみた
英雄を倒してから、オールナイトが続く。おれッチは永遠の夜になった日々の中で毎日DJにサウンドディスクをプレイさせた。踊り明かし、また、踊り明かした。そんなある日のこと。
毎日が楽しすぎて気にしたことなどなかった、これが王の言ってた"白紙化"なんだと気付いたときには遅かった。王の鶴は完成し、おれッチのDJはきれいさっぱり真っ白になった。
……恨む? なんで? そんな気持ちおれッチには搭載されてねーからわかんねーよ。ただ少し。少しだけ、惜しいと思った。
眠ることが多くなった。意識が浮上する時間も短い。ミュージックをプレイする奴がいなくなったらダンサーは終わり。なんて、感傷めいたこと思いたくねーけどおれッチは、さあ。何、考えてるんだろな?
「……パンチは終わりか」
王の声。腹の印がぱきん、と壊れる音がした。
それで終わり。
毎日が楽しすぎて気にしたことなどなかった、これが王の言ってた"白紙化"なんだと気付いたときには遅かった。王の鶴は完成し、おれッチのDJはきれいさっぱり真っ白になった。
……恨む? なんで? そんな気持ちおれッチには搭載されてねーからわかんねーよ。ただ少し。少しだけ、惜しいと思った。
眠ることが多くなった。意識が浮上する時間も短い。ミュージックをプレイする奴がいなくなったらダンサーは終わり。なんて、感傷めいたこと思いたくねーけどおれッチは、さあ。何、考えてるんだろな?
「……パンチは終わりか」
王の声。腹の印がぱきん、と壊れる音がした。
それで終わり。
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