つん、と前触れもなく肩をつつかれる。まだ書類に目を通し終わっていないので反応を避け、もくもくと並んでいる文字列を脳内に叩き込んでいく。ソゾから渡された近隣の魔術士や魔術師たちのデータだとか魔素の変動だとかがデータ化されたものだ。ソゾの部隊に積んでいる機械のひとつにそういうものを計測できる機器があって、魔術が主体の部隊の我々の役に立つようにと。ソゾだけでなくカタシロの部隊やリンドウの隊にも積んでいる機器だけど、近くを通ったソゾのいる艦隊が報告がてらドッキングしている。
　十二色銀河の魔素は安定してはいるが部分的な波があって、もしかするといずれ気象の激しい変動もあるかもしれない予兆がある場所も、と考えていると今度は髪の毛を触られる。するすると撫でてすぐ離れていく。もう少し待っていてほしいんだけど、と思いつつひらひらと片手で返事をしたけど、それをきゅっと掴まれ、あっという間にソゾの腕の中に納まっていた。

「ソゾ、もう少しだから」
「邪魔しないってー」

　少しだけ彼の方を見るとにかにかと笑う笑顔がそこにある。邪魔しないと言いながら頬ずりするのはどうなんだろう。

「そうはいってもさっきから構ってサイン出してる…」
「ほら、俺、寂しがりだから」
「そう…なの？」

　ソゾのことはよく見ていたけど、知らないことも多くて、その言葉に少し考えてしまう。だとしたら悪いことをしてしまったかもしれない。仕事を優先して何か言う人ではないとは思うけど、俺の気持ち的に。

「そーーーなの！だからこうしてていいだろー」
「う、うん、ソゾがそれでいいなら」
「やったー！ミケー！！」
「ぐえっ」

　ぎゅううと抱きしめられた腕はいつもより力強くて、本当に寂しがりなのかもしれない、と思った。


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可愛いカップル描いちゃったー様から
『かまって欲しくて相手にちょっかいを出す』『ソゾミケ』を描きor書きましょう。