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【ギゴホラ】猫を被ると遠くの星では言う

2019/03/04 02:39
ギゴウ×ホライゾン(男男)
 遠くの席でむす、っとした顔つきで長い足を組み、しかし通行する者の邪魔にはならないようにきちんと椅子側に足を寄せたまま背筋を伸ばした男を先ほどから、かれこれ5分以上は見ている。
 待ち合わせをしたのだが、まだあと約束の時間がくるのに10分はあるだろうか。俺も早くに来たのだが、向こうはもっと早くからあそこに座っていたらしい。
 ぴくりともせず、腕を組んで難しい顔のままそこに座っている男の、可愛い所を知ってしまっているが故に、なんとも、その顔さえ可愛らしく見えるのは間違いなく惚れた弱みだと一人で納得する。
 デートに行こうかと誘った時、情けない声を出しながら「君とそんなことは恐れ多くて出来ない」と腰の引けていた男に、じゃあ、一緒に展示会について来てくれるか、と言い直すと、少しばかり考えた後、それなら、まだいいかも、とおっかなびっくり答えたのを思い出す。どっちみち言葉が変わっただけで意味は変わらないぞとは告げたが「吾輩の気持ち的な問題なので」と返された。
 畏まる事はないとも告げたのでいつもの決まった出で立ちなのだが、それにしてもああして座って黙していると中身と外見の溝が大きな男だと思う。

「レヴェンデル、待たせたな」
「あぁ、いや、いいんだ、吾輩も今来たから」

 ああ、嘘だろうとも。少なくとも俺が来る前から来ている。

「そうか、だったらいいのだが、待たせていたら申し訳がない」
「いや、君を待たせる方が申し訳がないから、いいんだ」

 人通りが多い場所での彼は口数が少なく、硬い。

「では行こうか」
「わかった」

 すっと立ち上がった男は、俺よりも随分と背がある。少なくとも頭一つは違うのだが、普段は背が丸くなっているのでそんなことは感じていない。だがこうして「外向きの顔」をしている男と並ぶと、相変わらず大柄な男だと思う。全体的に、線は細いのだが。

「どうかした?」

 じろじろと見ていたのを不審に思った彼が、少しだけ不安そうにそう声を零す。

「可愛い奴だなあと思ってみていたところだ、気にするな」
「ぅっ…そ、そ、そとでっ」
「ああ、わかったわかった、言わないよ」

 瞬間的に目じりに朱が差すのも、可愛らしい奴だと思ってしまう。

「どうする?手は繋ぐか」
「つながないよ…」

 さ、っと後ろに手を回して隠しているのだろう。そんな子供っぽい真似も可愛い、と思いながら目的の場所へと歩を進めた。


◆ ◆ ◆
可愛いカップル描いちゃったー様から
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