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【ソゾミケ】二人の時間程、

2021/12/31 06:43
ソゾ×ミケ(男男)SSS100個書けるかな期間
 コーヒーに砂糖はいれるのか、紅茶にはなにをつけあわせるのが好きなのか、微睡む時間はどのくらいなのか、辛いものはちょっとずつ食べている気がするな、とか甘いものは多くとらないのかな、だとか。どれもソゾと近い関係にならない限り死ぬまで知ることは無かっただろうな、と思う。
 ちょっとした時間を無理にでも作ろうとしてくるところだとか、引退したら一緒に暮らそうってなんの迷いもなく言い切るところだとか。ただでさえ好きなのにどんどん好きになっていく。俺ってこんなに、ソゾに夢中だったっけか、と思いつつも、何か言葉を貰ったり時間を作って愛に来てくれるたび嬉しくなってしまう。悪い事じゃないけれど、無理してほしくはないから心配でもある。

「ソゾ、気持ちはわかるけど仕事優先しなよ」

 熱烈な抱擁を受けながら、そう彼の背中をトントンと叩いて声をかけると、だってーーと何とも言えない声でぐずられる。

「ミケとの時間も大事なんだよ俺はーー」

 大きい子供でもあやしてる気持ちだ、と思いながら、そうなんだねと相槌をそれなりに打つ。適当に返事しただろ、と言われるが、「適当」だからちゃんとしてるよ、と返すと、笑い声があがってそれもそうかなんて声が聞こえるのも、ああ、全然想像することさえやめていた事だったなと思う。
 ソゾと二人の時間があって、友達以上で、そうしてこういう時間が流れる瞬間を想像することを避けていた。虚しいだけだと決めつけていたし、無理な事だと思っていたから。
 それでもこれからは、無理な事でも虚しい事でもないんだ、と思える。そう思わせてくれるのは他でもないソゾの朗らかさだけれど。

「俺もソゾとの時間が大事だよ、嬉しい、」

 ありがとう、と告げてもう一度抱きしめれば、日向のような優しいにおいがした。

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