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【ノニエル】夢では困る事

2021/12/31 06:43
ノニン×エデルガルド(男女)セルフクロスオーバーSSS100個書けるかな期間
 夜間に男と二人きりでいる、という選択は寝室以外では滅多に取らないなと思いながら人のいない休憩所で男と何の会話もないまま、温めたミルクをいれたカップを片手に時間だけを重ねてしまっている。
 もう寝た方がいいんじゃないか、と話しかけるのも何故か惜しく、かといって同じ部屋で寝ているのに声もかけずに寝るのもな、と、もう半分ほどになったミルクを見て思う。

「おかわりは、」
「いや、いらん」
「左様ですか」

 ノニン・シュトロムフトはそれきり沈黙して、カップの中へ視線を落とした。向かい合わせのままだった男が立ち上がったのはそれからやや時間を置いてからで、静かに隣へ腰かけられる。

「どのような、私でも好きだ、と仰いましたね」

 以前、ロルフ・ガットネロと話をしていたときのことを言っているのだな、と思った。黙って頷けば男の俯いていた顔がゆるりとあがって、カップをテーブルへ置く。

「抱きしめても?」

 ぎく、と緊張を覚えたが、また声も出せないまま頷けば男の両腕がやんわりと体を拘束する。そのまま首筋に顔をうずめた男が、静かに、深く大きく呼吸をする音だけが聞こえる。カップをおとしてはいけないな、と思いながら男の置いたカップの隣に自分の手にしていたものを置く。

「ノニン、」

 姓まで言うべきか悩み、名だけでとどめた。今、恐らく、甘えられているのだ、と思う。男の背負う家の名はあまりにも大きく、長く彼を苦しめたらしい。そうであれば、今くらいはその家は排除して接しよう、と思った。

「……夢なら、どうしようかと、こんなに幸せで」

 ぼそり、と零れた言葉に思わず眉が寄るが、男のこれまでをなんとなく、察すればそれは、そうなのだろうなと思う。

「夢にするな、私が困る……もう、大分、……その、す、好きなのに、」

 ぼそぼそと零した言葉は、男の強い抱擁で、小さなうめき声へ変わってしまった。

× × × × × × ×
なかなかな甘え下手(ノニンさんもエデルガルドさんも

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