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【ノニエル】それは確かな事なので

2021/12/31 05:57
ノニン×エデルガルド(男女)セルフクロスオーバーSSS100個書けるかな期間
 甘えるのが下手なんだね、とロルフ・ガットネロの声が聞こえて立ち止まる。うるさいな、と思ったが私の事ではないらしいのは会話相手ですぐわかった。ノニン・シュトロムフトと何か話していて、それで、あの男が少し困ったように口ごもっていたのを見た。

「無駄口を叩いてる暇があるようだな、ロルフ・ガットネロ」
「あー、えるるん、あははは」

 くしゃ、と人懐っこそうに笑う様子に少しばかり気が抜ける。年上なのだがどうしてこうも幼く見えるんだろうか。ノニン・シュトロムフトはそのような事はあまりないのに、と思う。

「王子様が来ちゃったから、悪い大人は退散するよー」
「あ???」
「ごめんねえ、えるるんのお姫様のこと独占しちゃった」
「………、人の男に手を出すなよ」
「はいはい、ごめんごめん」

 軽い奴、と去っていく背中を見送り、椅子に座ったままのノニン・シュトロムフトの様子を見る。黙ったまま、俯いていて、手がもぞもぞと気まずそうに擦りあわされている。

「お前も気が済んだら移動しろ」
「……え、ええ、」

 小さく頷く姿に少しだけそわそわとしてしまう。甘えるのが下手、と言われていたことから、何か、ロルフ・ガットネロには男の所作に思う所があったんだろう。

「……先ほどの、会話を聞かれていましたか?」
「ああ、まあ、」

 俯いたままの男は一向に頭を上げる様子がない。

「左様ですか、」

 じわ、と襟足の間から覗く男の首が赤くなったのを見てしまう。聞いてはまずかっただろうか、と顔がつられて熱くなる。

「わ、忘れた方がいいなら努力しよう、」
「すいません、」
「だが、どんなお前も、好きだ、それは……、覚えておけ」

 捨てるように、ぶっきらぼうに言葉をぶつけて吐き出した。真摯ではないな、と思う。次はきちんと向かい合って言わなくてはいけない、と思考しながら羞恥に負けて、逃げるようにその場を後にした。

× × × × × × ×
余計な事言う係の船長。
甘え下手のふたり(どっちもどっちで)

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