SSS倉庫

【ナツユー】全部一番好き

2021/04/17 05:33
ナツヒコ×ユーディルガー(男男)SSS100個書けるかな期間
 大体いつも、メッセージのやり取りか数分の電話で言葉を交わしてお互い仕事に戻るのが若い時からの習慣だった。ナツと、そういう意味で付き合い始めてからもそれは変わらなかったし、それ以上密接な時間を持っている暇があるくらいならお互い仕事を熱心にしよう、という、話をしたことはなかったが自然にそうなっていた。
 ここ最近だ、おっさんになってやっと時間にゆったりした部分が出来たのは。
 それでもナツも部下を率いて動いている立場としてそうそう会いに来れるわけでもなければ俺から会いに行くのは勿論違うだろ、と思う。プライベートと仕事はわけないと、と昔からナツに言って聞かせていた立場もあって、……勿論普通に考えて職権乱用とばかりに立場を使っていちゃつくのは嫌でしょ、と思うからいかないんだけど。
 だからナツとの時間がうまく合って、ゆっくりできるとなったら何処に行くでもなく二人で部屋にこもって飯食ったりごろ寝してたりするわけで、俺の背中に頬をくっつけたまま寝てしまったらしいナツを起こすのも忍びないまま、結構背骨に良くないよなあという状態で読書を続けている。
 すやすやと規則的な寝息を聞きながら、腹に回された手に力が入るたび、う、なんて軽く呻いてみても起きる気配はないらしい。よっぽど疲れてんだねえ、なんて思いながら回された手の甲を撫でる。
 爪も長いし、青い毛におおわれてふさふさとしている。肉球、が進化した独特の内側の作りも少し面白いと思う。ぐるぐる、と背中から聞こえる音に笑いそうなのを堪えて、それでもいい加減起きてもらわないと背中が痛い、と決心して伸びをしてみる。

「……あー、ごめ、ユゥ……」
「いいよぉー、いっぱい寝な?寝る子は育つっていうからねえ。ただし読書中の人を枕にしないことぉ」
「んーーーー、ほんと、すまん、ごめん、」
「許しますよお?可愛い旦那さんだからね」

 ふざけながらそう言って肩にのせた顎をくすぐると、ふは、と息を零して笑う。

「そっか、ありがとう、心が広いダーリンでよかったよ。……ユゥも昼寝しないか?」
「魅力的だけど、可愛い旦那の寝顔見たいんで遠慮ーーー」
「ええ???俺だって見たい」
「はは~~、見たいなら寝かしつけてみな?」

 言ったな?といういたずらっ子みたいな声と共にベッドに転がされ、二人で笑い合う時間が本当に大事で、一番好きだ、と思った。
× × × × × × ×
いちゃいちゃ、だいすきーー!!!!!

コメント

コメントを受け付けていません。