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【ナツユー】君と、ただ優しい時間
2020/03/31 22:43ナツヒコ×ユーディルガー(男男)
コロニーや繁華街エリアのようなにぎやかさがあるわけでもない。整備された道を並んで歩いて行きながら、ソゾの発言を想いだしては笑ったり、カタシロのむすっとした表情とそれを茶化して怒られるソゾの様子を楽しそうに、思い出して、今日までこれたことを嬉しそうに笑うナツの横顔をみて笑う。
「あーそーね、あれはソゾが悪いねえ」
「全然、学習しないっていうのか、ソゾは変わらないなあ」
「そこがいいとこだからねえ、ソゾの」
「まあ、そうだな」
すきでしょ、そこが、と笑うとナツは、「うん」と笑う。くく、と喉を鳴らしたあたりで手を握られて、どうしたの、とまた笑いが零れる。
「ユゥと手を繋ぎたくて」
「はっははは、おっさんだけどお?いいのお?」
「ユゥがいいな」
力を籠められながらそう微笑まれ、気恥ずかしいのを隠しながら笑う。
「あらら、熱烈で困っちゃうね」
「困るならやめたほうがいいかな」
「言いながら離す気ないだろ」
「うん、ごめんよ」
「いいよ」
ゆら、と繋いでいる手を前後に揺らす。昔はこうして歩くことも考えなかったな、なんて思いながらナツとこの年までこうしているのが不思議だ。
告白された時はどうしようかと少し考えもしたけれど、受けて良かった、と今なら言えるし、信頼関係も愛情も重ねられている、と、勝手に思っている。
「ユゥ」
「ん?」
「あー、の、」
「なに」
そよりと柔らかい人工的な風が吹く。歯切れが悪い物言いをするときは、大概、パターンが読めている。
「キ、キス、してみていい?」
「え、いまあ?」
「……ん、う、うん」
ソゾとカタシロでそんな話してたな、と思って噴き出してしまう。
「ソゾもカタシロも俺の大事なリンドー君に刺激的な話題するよねえ」
片手で数えられる程度しかしたことはないけど、大概あの二人が、そういう話題を出して、ナツが興味を持ってしまう、というのが今までのパターンだ。普段はハグくらいなのにこういった話題の刺激を受けると、そうしてみたいかも、とナツは思うらしい。
「だ、だめならいいんだ」
「く、くく、ダメっていってないでしょ、どーぞ?」
「ン……‥‥、じゃ、じゃあ」
ぎくり、ぎくり、とぎこちない動きで肩に手が置かれる。
「老けたねえ、リンドーくん」
「そ、その呼び方やめてくれよ」
「照れちゃって」
今まではナツがしてくるのを待っていたけど、と思いながら彼の顎を掴んで唇をあわせる。びっくりしたように眉を下げて、口を離すと、酷く小さい声で、イスト、と呼ばれて笑ってしまう。いやいや、可愛くてですよ。
「リンドーくんには刺激的すぎた?」
「な、あ、ゆ、ユゥ!」
「くっ、ごめんごめん、まさかそこまで真っ赤になると思わなくて」
「あーーも、見ないでくれよー、ううー」
「大佐殿ーー??いかがいたしました?」
「ユゥーー」
もう、と笑いながら、赤い顔でハグをしてきたナツの、楽しそうな笑い声につられて笑ってしまう。
「いいね、こういうの」
「そぉねぇ…まあ、これからたくさんして行けるからいいでしょ」
「してくれるの?」
「あらら、したくないならおにーさんはしませんよ」
「わ、わ、したい、する!」
ユゥがいいんだ、なんて、昔と変わらない笑顔で笑う、年を重ねたその笑顔に、笑みが深まってしまう。
「俺もする」
再びつないだ手が、酷く優しい時間に思う。
◇ ◇ ◇
ユーディルガーさん視点
「あーそーね、あれはソゾが悪いねえ」
「全然、学習しないっていうのか、ソゾは変わらないなあ」
「そこがいいとこだからねえ、ソゾの」
「まあ、そうだな」
すきでしょ、そこが、と笑うとナツは、「うん」と笑う。くく、と喉を鳴らしたあたりで手を握られて、どうしたの、とまた笑いが零れる。
「ユゥと手を繋ぎたくて」
「はっははは、おっさんだけどお?いいのお?」
「ユゥがいいな」
力を籠められながらそう微笑まれ、気恥ずかしいのを隠しながら笑う。
「あらら、熱烈で困っちゃうね」
「困るならやめたほうがいいかな」
「言いながら離す気ないだろ」
「うん、ごめんよ」
「いいよ」
ゆら、と繋いでいる手を前後に揺らす。昔はこうして歩くことも考えなかったな、なんて思いながらナツとこの年までこうしているのが不思議だ。
告白された時はどうしようかと少し考えもしたけれど、受けて良かった、と今なら言えるし、信頼関係も愛情も重ねられている、と、勝手に思っている。
「ユゥ」
「ん?」
「あー、の、」
「なに」
そよりと柔らかい人工的な風が吹く。歯切れが悪い物言いをするときは、大概、パターンが読めている。
「キ、キス、してみていい?」
「え、いまあ?」
「……ん、う、うん」
ソゾとカタシロでそんな話してたな、と思って噴き出してしまう。
「ソゾもカタシロも俺の大事なリンドー君に刺激的な話題するよねえ」
片手で数えられる程度しかしたことはないけど、大概あの二人が、そういう話題を出して、ナツが興味を持ってしまう、というのが今までのパターンだ。普段はハグくらいなのにこういった話題の刺激を受けると、そうしてみたいかも、とナツは思うらしい。
「だ、だめならいいんだ」
「く、くく、ダメっていってないでしょ、どーぞ?」
「ン……‥‥、じゃ、じゃあ」
ぎくり、ぎくり、とぎこちない動きで肩に手が置かれる。
「老けたねえ、リンドーくん」
「そ、その呼び方やめてくれよ」
「照れちゃって」
今まではナツがしてくるのを待っていたけど、と思いながら彼の顎を掴んで唇をあわせる。びっくりしたように眉を下げて、口を離すと、酷く小さい声で、イスト、と呼ばれて笑ってしまう。いやいや、可愛くてですよ。
「リンドーくんには刺激的すぎた?」
「な、あ、ゆ、ユゥ!」
「くっ、ごめんごめん、まさかそこまで真っ赤になると思わなくて」
「あーーも、見ないでくれよー、ううー」
「大佐殿ーー??いかがいたしました?」
「ユゥーー」
もう、と笑いながら、赤い顔でハグをしてきたナツの、楽しそうな笑い声につられて笑ってしまう。
「いいね、こういうの」
「そぉねぇ…まあ、これからたくさんして行けるからいいでしょ」
「してくれるの?」
「あらら、したくないならおにーさんはしませんよ」
「わ、わ、したい、する!」
ユゥがいいんだ、なんて、昔と変わらない笑顔で笑う、年を重ねたその笑顔に、笑みが深まってしまう。
「俺もする」
再びつないだ手が、酷く優しい時間に思う。
◇ ◇ ◇
ユーディルガーさん視点