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【ナツユー】君と、ただ優しく甘い時間
2020/03/31 22:42ナツヒコ×ユーディルガー(男男)
「あー、そーね、あれはソゾが悪いねえ」
「全然、学習しないっていうのか、ソゾは変わらないなあ」
「そこがいいとこだからねえ、ソゾの」
くく、と笑うユゥの声を聞きながら歩く道は物静かだった。気配がないわけではないけれど遠くで、今歩く道は、人通りがない。他愛ない話をしながら笑いを零す彼の手をとると、どうしたの、と笑いかけられる。
「ユゥと手を繋ぎたくて」
そう言えば彼は笑いながらおっさんだけどいいの?なんていう。
「ユゥがいいな」
熱烈で困っちゃうね、なんて言いながら振り払うこともされない繋いだ手が優しいと思う。
「困るならやめたほうがいいかな」
「くく、言いながら、離す気ないだろ」
「うん、」
ごめんよ、と謝る。あっさり許されて、そのまま繋いだ手がユゥによって、前へ後ろへと緩慢に動く。
告白をしてから、今日までこうして彼と恋人同士で居させてもらえているのが夢のようで、でも現実だという感覚の方がはるかに強いのは彼と時間を重ねてきたからだと思う。お互い忙しくて、それから命の危険もあって、たいしたこともしてこなかったけれど、それを彼は許してくれる。
「ユゥ」
「ん?」
「あー、の、」
「なに」
言ってもユゥは嗤う人じゃないから大丈夫だけど、少しどころじゃなく恥ずかしい。
「キ、キス、してみていい?」
「え、いまあ?」
「……ん、う、うん」
ソゾと、カタシロと、結構な話題を二人で飛ばし合うから、ユゥには申し訳ないけれど少しキスしてみたいかも、なんて思ってしまう。契約もしている影響か、滅多にこういう気持ちはならないんだけれど。
「だ、だめならいいんだ」
「く、くく、ダメっていってないでしょ、どーぞ?」
「じゃ、じゃあ」
そっと肩に置いた手が情けないほどぎくしゃくしているのをみて彼が笑う。かっこつけたい、なんて今はあまり思わないけど、ゼロというわけじゃないので少し悔しい。
「老けたねえ、リンドーくん」
「そ、その呼び方、」
若い頃、ユゥが俺の事をそう呼んでいた。初めてキスしたときも、そうだった気がする。
少しだけどきりとするような笑みを浮かべる彼に心臓が忙しい、と思っていると、顎を彼の手が掴む。
「照れちゃって」
優しい音と、優しい目、それから優しく唇が合わせられる。彼から、してもらったのは初めてだ。
「リンドーくんには刺激的すぎた?」
にやり、と笑う彼に顔が熱くなる。
「な、あ、ゆ、ユゥ!」
「くっ、ごめんごめん、まさかそこまで真っ赤になると思わなくて」
「あーーも、見ないでくれよー、ううー」
かっこ悪いところはあまり見られたくない、なんて思いながら顔を手で覆う。優しく彼の手が背中に添えられて、のぞき込まれるような気配があった。
「大佐殿ーー??いかがいたしました?」
「ユゥーー!もう!!」
そのまま彼を腕に閉じ込めてしまっても、彼は笑いながらそのまま身じろぎもしない。こういう時間は、あまり想像しないようにしていたからついまた笑ってしまう。
「いいね、こういうの」
「そぉねぇ」
これからたくさんしていけるから、と続けてくれた彼の言葉につい、彼の顔を見る。
「してくれるの?」
「あらら、したくないならおにーさんはしませんよ」
「わ、わ、したい、する!ユゥがいいんだ!」
昔よりも優しく感じる笑顔で、彼が笑う。
「俺もする」
再び彼から繋がれた手が、優しくて、甘い気がした。
◇ ◇ ◇
ナツヒコさん視点です
「全然、学習しないっていうのか、ソゾは変わらないなあ」
「そこがいいとこだからねえ、ソゾの」
くく、と笑うユゥの声を聞きながら歩く道は物静かだった。気配がないわけではないけれど遠くで、今歩く道は、人通りがない。他愛ない話をしながら笑いを零す彼の手をとると、どうしたの、と笑いかけられる。
「ユゥと手を繋ぎたくて」
そう言えば彼は笑いながらおっさんだけどいいの?なんていう。
「ユゥがいいな」
熱烈で困っちゃうね、なんて言いながら振り払うこともされない繋いだ手が優しいと思う。
「困るならやめたほうがいいかな」
「くく、言いながら、離す気ないだろ」
「うん、」
ごめんよ、と謝る。あっさり許されて、そのまま繋いだ手がユゥによって、前へ後ろへと緩慢に動く。
告白をしてから、今日までこうして彼と恋人同士で居させてもらえているのが夢のようで、でも現実だという感覚の方がはるかに強いのは彼と時間を重ねてきたからだと思う。お互い忙しくて、それから命の危険もあって、たいしたこともしてこなかったけれど、それを彼は許してくれる。
「ユゥ」
「ん?」
「あー、の、」
「なに」
言ってもユゥは嗤う人じゃないから大丈夫だけど、少しどころじゃなく恥ずかしい。
「キ、キス、してみていい?」
「え、いまあ?」
「……ん、う、うん」
ソゾと、カタシロと、結構な話題を二人で飛ばし合うから、ユゥには申し訳ないけれど少しキスしてみたいかも、なんて思ってしまう。契約もしている影響か、滅多にこういう気持ちはならないんだけれど。
「だ、だめならいいんだ」
「く、くく、ダメっていってないでしょ、どーぞ?」
「じゃ、じゃあ」
そっと肩に置いた手が情けないほどぎくしゃくしているのをみて彼が笑う。かっこつけたい、なんて今はあまり思わないけど、ゼロというわけじゃないので少し悔しい。
「老けたねえ、リンドーくん」
「そ、その呼び方、」
若い頃、ユゥが俺の事をそう呼んでいた。初めてキスしたときも、そうだった気がする。
少しだけどきりとするような笑みを浮かべる彼に心臓が忙しい、と思っていると、顎を彼の手が掴む。
「照れちゃって」
優しい音と、優しい目、それから優しく唇が合わせられる。彼から、してもらったのは初めてだ。
「リンドーくんには刺激的すぎた?」
にやり、と笑う彼に顔が熱くなる。
「な、あ、ゆ、ユゥ!」
「くっ、ごめんごめん、まさかそこまで真っ赤になると思わなくて」
「あーーも、見ないでくれよー、ううー」
かっこ悪いところはあまり見られたくない、なんて思いながら顔を手で覆う。優しく彼の手が背中に添えられて、のぞき込まれるような気配があった。
「大佐殿ーー??いかがいたしました?」
「ユゥーー!もう!!」
そのまま彼を腕に閉じ込めてしまっても、彼は笑いながらそのまま身じろぎもしない。こういう時間は、あまり想像しないようにしていたからついまた笑ってしまう。
「いいね、こういうの」
「そぉねぇ」
これからたくさんしていけるから、と続けてくれた彼の言葉につい、彼の顔を見る。
「してくれるの?」
「あらら、したくないならおにーさんはしませんよ」
「わ、わ、したい、する!ユゥがいいんだ!」
昔よりも優しく感じる笑顔で、彼が笑う。
「俺もする」
再び彼から繋がれた手が、優しくて、甘い気がした。
◇ ◇ ◇
ナツヒコさん視点です