「今日は雨の予定だぞ」

　ギゴウ君が窓を見ながらそういうので、顔を上げる。

「そうなんだ」
「予定表は見ていないのか」
「うん、あまり」

　うん、と小さく伸びをして、向かっていた仕事を一度閉じる。

「シリウス君がいるから、あんまり、予定表みないんだ。今日の天気はどうかなーって、話すのが好きで」
「成程な」
「彼は、此処で育つから、ちょっとでもさ」

　管理された天候、雨量、風雪…、それもいいけど、出来れば、惑星に近いようなワクワクくらいは、体験してほしくて配布された予定表をめっきり見なくなった。

「そうだな、そういう楽しみも、一興だ」

　ふふ、と笑うギゴウ君の横顔を見ながら、紅茶でも飲む？と問えば、彼は頂こう、と笑ってソファーへ向かって歩く。

「傘でも買ってやれ、そういうのも楽しいだろう」
「ああー傘、いいねえー」

　シリウス君の好きな色の傘がいいか、それとも、好きな動植物の傘がいいか、またお財布の紐がばがばになっちゃうな、と思いながら、笑った。
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なかよし