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【リンカタ】君を視線で追う毎日
2019/09/25 01:11リーンハルト×カタシロ(男男)
綺麗な黒くて、長い髪。下の方で一つに結わえられて、毛先が青いスクリーンの色を吸い取ったように色づいているのが不思議だ。しゃんと伸びた背中も凛々しいけど、デスクに向かってペンを走らせながらこちらの報告を黙って聞いているときの伏し目がちな目元も好きだ。そういうフェチはないけれど(ない筈なんだけど)、目元の皺を見てるのも好きだ。大佐の過ごしてきた年月が皮膚のたわみにそうしてあるのがなんとなく。好きだな、と思う。手はいつも黒い手袋をしてるけれど、指も長いなあなんて気をそらしてしまう。気が逸れると直ぐに気が付くのかぱっと顔をあげてこちらを少し目を細めて、きつく見る視線に背筋が伸びる。
笑ったところ、というのは実は、見たことがすくない。ただ、笑ってると優しい顔をしているから、可愛らしいなと思う。親くらいの人にそんなこというのはどうなのかな、と思うけど。一度、誰もいない時に大佐をお見かけして、手を振ったことがある。手を振ったというか投げキスをしたというか。こういうやりとりは大佐は好まないらしいんだけど、急いでいたし、でも大佐がそこにいたのが嬉しくてついやってしまった。
その時だ。初めて、目じりを少し赤くして笑った大佐を見た。嬉しそうというか、恥ずかしそうに眼を細めて、柔らかく口角があがって、表情だけで、見送ってもらったような気がして、ただそれだけなのに緊張と嬉しさで頭がぐるぐるした。
言い方が稚拙だが、その通りなのだ。色々な感情と言葉がぐるぐるして、でも言葉になりきらない感情を抱えたまま仕事へ向かった。あのときほどどうして大佐と同じ年頃かあるいは階級じゃないんだろうと悔んだ。悔んだってしょうがないんだけれど。
大佐とは殆ど話がない。恋人になってからもそれは変わっていなくて、相変わらずだ。時々目配せしあうくらい。
時々大佐が、本当に俺で良かったか、なんて聞いてくるのは年齢差もあるんだろうなと思うし、互いの階級も立場もだから。しょうがない。都度、勿論ですよとはいってるけど、それがどこまで「本当」ととってもらえてるかわからない。
俺から好きです、と言ったのに、俺でいいのか、と何度か聞いてくる大佐は優しい。もしかしたら他の人は鬱陶しいんじゃないのかっていうのかもしれないけれど、大佐のそれは、俺がいつでも「ダメです」と言えるように、逃げ道を拓いてくれているんじゃないかなと思っている。そういう優しさも、好きだ。
人気の少ない場所で、仕事の話をしながら、するりと指を絡めた時には大佐は少しだけ驚いた顔をしていた。どうぞ、話を続けてくださいと促すと、首を僅かに傾げてからぽつぽつと次の仕事内容を話してくれる。別に聞き流しているわけじゃないけどそれを聞きながら、親指と人差し指で大佐の人差し指の横を撫でていると、急に抱き寄せられてどきりとした。
大佐は、いたずらするな、なんていうけど、いったけど、閉じたままの俺の左の瞼にそっとキスしてくれて、頭を撫でてくれた。子ども扱いだと感じたら詫びる、なんて言ってくれるのさえ優しい。
俺と大佐との、こういう時間はきっと他の同世代の恋人たちよりもうんと短い。だから、好きになった人を記憶の隅へ僅かでも繋いで留め置いて、忘れていくとしても、薄れていったとしても、ふとした時に思いだせるくらいには見ていたいから、今日も、明日も、多分、大佐のことを、見てしまうんだろう。
◆ ◆ ◆
タイトルは診断メーカー様から!
君に恋したあの日から。
https://shindanmaker.com/287899
この手を書くの好きなので同タイトルでいくつかかきたい\\\\٩( 'ω' )و ////とおもって書いてるので増えます
笑ったところ、というのは実は、見たことがすくない。ただ、笑ってると優しい顔をしているから、可愛らしいなと思う。親くらいの人にそんなこというのはどうなのかな、と思うけど。一度、誰もいない時に大佐をお見かけして、手を振ったことがある。手を振ったというか投げキスをしたというか。こういうやりとりは大佐は好まないらしいんだけど、急いでいたし、でも大佐がそこにいたのが嬉しくてついやってしまった。
その時だ。初めて、目じりを少し赤くして笑った大佐を見た。嬉しそうというか、恥ずかしそうに眼を細めて、柔らかく口角があがって、表情だけで、見送ってもらったような気がして、ただそれだけなのに緊張と嬉しさで頭がぐるぐるした。
言い方が稚拙だが、その通りなのだ。色々な感情と言葉がぐるぐるして、でも言葉になりきらない感情を抱えたまま仕事へ向かった。あのときほどどうして大佐と同じ年頃かあるいは階級じゃないんだろうと悔んだ。悔んだってしょうがないんだけれど。
大佐とは殆ど話がない。恋人になってからもそれは変わっていなくて、相変わらずだ。時々目配せしあうくらい。
時々大佐が、本当に俺で良かったか、なんて聞いてくるのは年齢差もあるんだろうなと思うし、互いの階級も立場もだから。しょうがない。都度、勿論ですよとはいってるけど、それがどこまで「本当」ととってもらえてるかわからない。
俺から好きです、と言ったのに、俺でいいのか、と何度か聞いてくる大佐は優しい。もしかしたら他の人は鬱陶しいんじゃないのかっていうのかもしれないけれど、大佐のそれは、俺がいつでも「ダメです」と言えるように、逃げ道を拓いてくれているんじゃないかなと思っている。そういう優しさも、好きだ。
人気の少ない場所で、仕事の話をしながら、するりと指を絡めた時には大佐は少しだけ驚いた顔をしていた。どうぞ、話を続けてくださいと促すと、首を僅かに傾げてからぽつぽつと次の仕事内容を話してくれる。別に聞き流しているわけじゃないけどそれを聞きながら、親指と人差し指で大佐の人差し指の横を撫でていると、急に抱き寄せられてどきりとした。
大佐は、いたずらするな、なんていうけど、いったけど、閉じたままの俺の左の瞼にそっとキスしてくれて、頭を撫でてくれた。子ども扱いだと感じたら詫びる、なんて言ってくれるのさえ優しい。
俺と大佐との、こういう時間はきっと他の同世代の恋人たちよりもうんと短い。だから、好きになった人を記憶の隅へ僅かでも繋いで留め置いて、忘れていくとしても、薄れていったとしても、ふとした時に思いだせるくらいには見ていたいから、今日も、明日も、多分、大佐のことを、見てしまうんだろう。
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