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【ゼノベル】僕は僕のままで、君は君のままで

2019/09/25 01:04
ゼノメンシス×インベル(男男)
 俺は俺で、彼は彼で。王と従者で、幼馴染で、友人で、それ以上はない。それ以下になる日が来たら、それはきっと自分の酷く醜い恋情が彼に見つかってしまった時だ。
 彼の背中を見ていれば十分だった。
 彼の、声を聴いていられる時間があれば、良かった。
 彼の姿を目にとどめておけるうちは留めておこうと思った。
 病に蝕まれていく身体を思えば、これまでの長い長い年月を思えば、このまま、彼に、ゼノメンシスに、何もばれぬまま胸の内の恋慕を秘めたまま永遠に空を飛ばない日がくるのを待てばいいと思って過ごしてきた。

「インベル」

 民や他の騎士へ向ける笑顔を俺には、向けない時があった。あの日、王に彼が選ばれる前の日まで、当たり前のように見ていた笑顔を向ける時がある。
 酷く嬉しく、胸を満たす独占欲を殺し、努めてそっけなく答えればゼノメンシスは「相変わらずだな」と笑う。
 お前は知らなくていい。そのままでいい。俺を、冷たい雄だと思ったままでいい。気難しい雄だと思ってくれていればいい。

 お前が、当たり前に幸せになるのを、俺はただただ、待ち続けているから、俺の醜くなっていく感情など、知らなくていい。


◆ ◆ ◆
タイトルは診断メーカー様より!!ヽ( ´¬`)ノ

君に恋したあの日から。
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