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【ソゾミケ】君に会うまでは、寂しさなんて知らなかった

2019/09/25 01:00
ソゾ×ミケ(男男)
 影でこそこそと何やら囁かれることは平気だった。急にいちゃもんをつけられることも随分と慣れたことで、黙って無反応なら余計に相手を煽ることもないから、そうしていた。一人でいることはまるで苦ではなかったし、その方が気楽だった。

「ミケー、遊ぼうぜー」

 君と会うまではそっちの方が楽だった。
 君に声をかけてもらって、友人として傍にいることを許される時間が、楽しいと思った。

「ミケ!元気そうだな!」

 君に名前を呼ばれるだけで嬉しかった。
 君の笑顔が、好きだと思った。
 君の、君のことを、愛しているんだ、と気が付いた。

「ミケ」

 君が、俺の事を、愛してくれたのが、嬉しかった。

「ミケ」

 優しい声で名前を呼んでもらうだけで嬉しかった。
 笑顔を独り占めしてしまえる時間が嬉しかった。
 君が、愛してる、と、俺に告げてくれる僅かな時間が狂おしいほど好きだ。
 そんな時間が増えて、君と離れている間が、寂しい、と思ってしまう。会いたいといえばもしかすれば君は、無理をして来てしまう。俺がずっと君を好きだったことを優しい君は気にしている。俺の時間のぶんまで愛するだなんて言ってくれた君は優しい。

 だから、この寂しささえ、君がくれた愛しい時間だと思う。愛情だけではなくて、こんなに恋しく思う寂しささえ、君は俺にくれる。

◆ ◆ ◆
君に恋したあの日から。
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診断メーカー様より排出されたお題で書きました

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