雨の日だ。

　今日は雨の日。天気の予定にも組み込まれた通りに此処は天候が巡る。惑星のように敢えて不規則にしてはいても、それでも「予定表」が配られているのだから計画的に行われてる「不規則」なもの。
　こういう日、遠く一人でいるニヒツは何をしているんだろう、と思う。あいつの住んでいる所は、こういうシステムも壊れているし管理する奴も居ないに近い。あいつが管理していると言えばそうだが、天候を自分で操作しているわけではないから完全にあっちは不規則そのものだ。雨はオイルやらなにやら混ざっていて危ないし、こんなに綺麗に、ある程度ろ過されたものは降ってはこない。
　今度、雨の降る予定近くにでも誘ってみようか。興味がなさそうにするかもしれないけど、それでも、興味がなさそうな顔で、じっと何かを観察しているあいつの顔を見るのは好きだ。
　削ぎ落してばかりで生きていた男が、何かを掴もうと、しているのかはわからないが、それでも、俺が見てみろだとかやってみろだとか、言ったことを守って、律儀にそうする（例えそれが幼いころからしみついた命令や指示で動くという、慣れた行為だったとしても）。その姿を見るのは、好きだ。
　最近は自発的に動くし、考えもする。してるはず。

　俺は、ホライゾンさんに何をして貰ったっけ、と思い起こす。あれこれ世話を焼かれて、逆に世話を焼いて。

　同じことは出来そうにないけれど、それでも、あいつはこれを見た事あるかな、と、そんな風に思う。見たら何かあいつの中で揺れるかな、とも思う。

「（ああ、あの人も、俺にあれこれしてくれたとき、こんな感じだったのかな）」

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ファゼットくんひとりごと