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【ソゾミケ】素直が過ぎてる

2019/07/31 03:09
ソゾ×ミケ(男男)
「暑い………」
「なー暑いなぁ」

 そうは言いつつ、平然と笑いながらキョクトの商人から買ったという「せんす」とかいう道具を片手にパタパタと扇いでいるソゾは随分と余裕だ。南国生まれだからなんだろうか。
 メンテナンスだからと30分ほど調整機械が止められているせいで暑いったらない。俺は汗が酷いんだけど、ソゾはそうでもないらしい。

「早く涼しくしてほしい」
「そうだなー」
「……ソゾは、余裕で、羨ましいな……」
「まあーーでも大分故郷に戻ってなかったせいで結構堪えてるぞ」
「…ああ、そうなんだ…、やっぱりこっちの人工的な気候になれちゃったりするんだね」
「そうそう」

 いつもは下の方でゆったりと髪を結っているけど、今ばかりは高い位置でひとつに括っている。ソゾなんかはぐるぐると器用に髪を丸めているから、首のあたりは涼しそうだ。

「……なに?」

 じっとこっちを見ているソゾに何の気なしに聞いてしまう。

「や、エロかった」
「なにが………?」

 どこが、そもそも、急に何だろう、と思いつつソゾの顔を見ても答えは見つからない。

「こう、汗が伝っていくのが」
「ああ……そういうこと」
「わかってくれるか?」
「まあ、ね」

 ソゾのもみあげあたりから伝って顎の先へ到達して、たつりと落ちた汗の水滴を目で追いかけながらそう返す。

「ソゾもエロいからね」
「おっ、ほんとかー!?どこが?」
「何処が……?」

 めちゃくちゃ興味津々だ。どこ、と言われても、咄嗟にぱっとでてこない。ムラっとはするんだけど、明確にどこで性的興奮が刺激されているのかは自分でもわからないし。

「あーまあ、声、とか…」
「声ー!?」
「うん」
「そっかあー……頑張るわ」
「何を」
「色っぽい声だしてミケのことドキドキさせることを」
「……今以上に?勘弁してほしいな……」
「遠慮するなよー」

 笑顔を浮かべながらぱたぱた扇いで風を送ってくれるのはありがたい。

「これ以上惚れこませてどうするの……」
「……ミケってさあ、それさ、…あれか?無自覚?」
「………あー、まあ、そう、なのかな…、わかんないけど、そうなのかもね…」
「部屋涼しくなったらキスしていいか??」

 良いけど、と返すと、とびっきりにいい笑顔のソゾがそこにいた。

◆ ◆
かいててお互いの事が好きなので滅茶苦茶笑顔になれます、私が

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