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【ニヒファゼ】まずは事前の準備が必要
2019/06/30 03:03ニヒツ×ファゼット(男男)
大切な人に、大切な人を紹介しなくてはいい加減まずい。
タイミングが大事だろうか。状況?雰囲気?どれにしたってホライゾンさんが身を硬直させるのは目に見えている、と思ってしまう。だが、言っておかないと、とも思う。
「はあーーーー」
何度目かのため息をついて、ディスプレイを眺める。たいした違反船もなさそうだし、取引の気配もない。録画はスリープ状態でもしてくれるのがこの機器の良い所だ。
「帰りますか」
静かな声が後ろから降ってくる。
「おう」
「送ります…」
「いや……今日は、」
日付を確認する。今から戻ると夕方の時間帯にはつくが、出来れば、もう少し遅い方が良い。男を連れ出して歩くのは目立たない方が良い。
上背もあって、レイフさんが用意してくれている警備隊の真っ白な服に着替えてしまうといやと言うほど目立つことはわかっている。
「もう少しのんびりしてから、帰るから、お前もくれば…イオも会いたがってたし」
「…私?……イオさんが会いたい、んですか?」
イオが会いたいと言っていたのは嘘ではないのだが、だから連れ出すというわけでもない。
「それに、その、いい加減だな、紹介しようと思って……」
「紹介?」
「……ホライゾンさんに、お前と俺の事、言わなくちゃ、って思っててだな」
「どうして?」
「あー、うーん」
男は他人と過ごす時間が少ない。ドラマもアニメも見ないし、小説も恋愛を主体に置いたものは読んでいないようだ。そうじゃなくとも、そう言う描写くらいありそうなもんだが奇跡的過ぎるほど読んだことがないのか、流れはわかりかねる、といった顔だ。
「一応、ホライゾンさんは、あー…俺の、な?親みたいなもんなんだよ、だから、その、……大切な人が、出来たって言っとかないと、って思うわけ」
「………そうなんですか」
親、というとくすぐったいが、事実、俺が家族じゃないといっても、家族みたいなものだ。
オルニトアラの文化圏で例えて話をしても、俺の文化圏で話をしても、男はきっとこの、「親に恋人を紹介する」というものは理解しないだろう。この男とは恐らく、死ぬまで連れ添うことになるだろうし、俺は、そのつもりではいるが、男がどうかはわからない。わからないが、俺は「そう」でいる気だから、紹介しておこうと思うのだ。
「わかりました、ついていきます」
「そ、そうか、ありがと……」
静かに頷いてくれた男に安堵しつつ、緊張感にまたひとつ、呼吸を零した。
◆ ◆ ◆
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タイミングが大事だろうか。状況?雰囲気?どれにしたってホライゾンさんが身を硬直させるのは目に見えている、と思ってしまう。だが、言っておかないと、とも思う。
「はあーーーー」
何度目かのため息をついて、ディスプレイを眺める。たいした違反船もなさそうだし、取引の気配もない。録画はスリープ状態でもしてくれるのがこの機器の良い所だ。
「帰りますか」
静かな声が後ろから降ってくる。
「おう」
「送ります…」
「いや……今日は、」
日付を確認する。今から戻ると夕方の時間帯にはつくが、出来れば、もう少し遅い方が良い。男を連れ出して歩くのは目立たない方が良い。
上背もあって、レイフさんが用意してくれている警備隊の真っ白な服に着替えてしまうといやと言うほど目立つことはわかっている。
「もう少しのんびりしてから、帰るから、お前もくれば…イオも会いたがってたし」
「…私?……イオさんが会いたい、んですか?」
イオが会いたいと言っていたのは嘘ではないのだが、だから連れ出すというわけでもない。
「それに、その、いい加減だな、紹介しようと思って……」
「紹介?」
「……ホライゾンさんに、お前と俺の事、言わなくちゃ、って思っててだな」
「どうして?」
「あー、うーん」
男は他人と過ごす時間が少ない。ドラマもアニメも見ないし、小説も恋愛を主体に置いたものは読んでいないようだ。そうじゃなくとも、そう言う描写くらいありそうなもんだが奇跡的過ぎるほど読んだことがないのか、流れはわかりかねる、といった顔だ。
「一応、ホライゾンさんは、あー…俺の、な?親みたいなもんなんだよ、だから、その、……大切な人が、出来たって言っとかないと、って思うわけ」
「………そうなんですか」
親、というとくすぐったいが、事実、俺が家族じゃないといっても、家族みたいなものだ。
オルニトアラの文化圏で例えて話をしても、俺の文化圏で話をしても、男はきっとこの、「親に恋人を紹介する」というものは理解しないだろう。この男とは恐らく、死ぬまで連れ添うことになるだろうし、俺は、そのつもりではいるが、男がどうかはわからない。わからないが、俺は「そう」でいる気だから、紹介しておこうと思うのだ。
「わかりました、ついていきます」
「そ、そうか、ありがと……」
静かに頷いてくれた男に安堵しつつ、緊張感にまたひとつ、呼吸を零した。
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