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【リンカタ】ただそれだけなのに
2019/03/08 00:14リーンハルト×カタシロ(男男)
なんてことはない。本当に。本当になんということはないことだった。
別に関係が進展したとか、特別なことがあったとか、秘密の約束を交わした、とかじゃない。
「報告は以上です」
「そうか、…下がってい……」
目があった。黒い大佐の澄んだ瞳と目があっただけ。それに俺はにっこりと笑っただけ。大佐と少しだけ接触を持てたような気がして、嬉しくて。
ただそれだけ。
それだけなのに、大佐の目じりがじわりと赤くなって、それからさっと視線を書類に戻してしまう。その所作にぎくりとしたのはこっちのほうで、つい、俺何かしたっけ?と考えてしまう。間違いなんか起きるわけもないほど清いお付き合いをしているし、酔っぱらって勢いに任せるなんて事もしていないし、無理やり何かしたわけでもない。
目が合っただけ。たったそれだけ。
それだけ。
「すまん……」
ぽつ、と零した大佐は小さな咳払いとともにその言葉を置いた。
「急に、その、…恥ずかしくなった、だけだ」
「エッ」
「すまん…らしくない」
俺から顔を隠すように掌で顔を覆ってため息を吐く。
「直接会うのは随分と、その、久しぶりだろ」
「まあ、え…、はあ、そう、ですね」
「だから、……嬉しくて、その、すまん、子供みたいだな」
失礼だと存じながら、大佐の頭を抱えるようにして衝動的に抱きしめてしまう。ああ、ああ、嬉しい。可愛い。こんな大佐、初めて見た。
「カタシロさん」
零れた自分の声は酷く甘いような気さえした。
◇ ◇ ◇
可愛いカップル描いちゃったー様から
『ふと目が合って気恥ずかしくなる』『リンカタ』を描きor書きましょう
別に関係が進展したとか、特別なことがあったとか、秘密の約束を交わした、とかじゃない。
「報告は以上です」
「そうか、…下がってい……」
目があった。黒い大佐の澄んだ瞳と目があっただけ。それに俺はにっこりと笑っただけ。大佐と少しだけ接触を持てたような気がして、嬉しくて。
ただそれだけ。
それだけなのに、大佐の目じりがじわりと赤くなって、それからさっと視線を書類に戻してしまう。その所作にぎくりとしたのはこっちのほうで、つい、俺何かしたっけ?と考えてしまう。間違いなんか起きるわけもないほど清いお付き合いをしているし、酔っぱらって勢いに任せるなんて事もしていないし、無理やり何かしたわけでもない。
目が合っただけ。たったそれだけ。
それだけ。
「すまん……」
ぽつ、と零した大佐は小さな咳払いとともにその言葉を置いた。
「急に、その、…恥ずかしくなった、だけだ」
「エッ」
「すまん…らしくない」
俺から顔を隠すように掌で顔を覆ってため息を吐く。
「直接会うのは随分と、その、久しぶりだろ」
「まあ、え…、はあ、そう、ですね」
「だから、……嬉しくて、その、すまん、子供みたいだな」
失礼だと存じながら、大佐の頭を抱えるようにして衝動的に抱きしめてしまう。ああ、ああ、嬉しい。可愛い。こんな大佐、初めて見た。
「カタシロさん」
零れた自分の声は酷く甘いような気さえした。
◇ ◇ ◇
可愛いカップル描いちゃったー様から
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