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【アンレイ】相部屋はいかがでしょうか
2021/11/16 05:48CP雑多IFCPのSSSSSS100個書けるかな期間
アンカさん→レイフさん
× × × × × × ×
持ち掛けられたとんでもない話に、なんと返して良いかわからない。きっかけの人、レイフさんはといえば、どうだ、と笑いながらこちらを見るばかりだ。
「ど、どう、って」
この不思議な空間で、色々な惑星から来た人たちと暮らしていて数週間。部屋はある程度あるものの限りもある。どうせなら特別仲のいいやつらは同室でいいんじゃないか、とレイフさんからの提案があった。賛否はあれど部屋数のことを考えれば増設も自力でやらなくてはいけないし、建築が終わるまでまた誰か新しい人が増えることもある、と考えればそれはそうだが。
「どうして俺?」
同室で組もうじゃないかと声をかけて来たのはいいが、てっきりレイフさんはいつも一緒にいる事が多いギゴウさんやジャンルカさんと同室を組むのだと思っていただけに少し動揺する。俺との接点と言えば、所謂契約上の上下関係くらいだろう。それなのに、なんでだ、と思う。
まさかと思うが少しばかりそういう気持ちで見ていたことがバレてるんだろうかと焦る。迷惑をかけないようにしているつもりだったが。でもそんなことでこんな提案する人だっけ?と疑問にも思う。
「これを機にお近づきになっとけばいざってときにアンタに助けてもらえるだろ」
「そ、ういうことかあーーー」
言われた言葉にこんなにも安心することもない。損得とか利害だとかそういう目的があっての関係構築だ、というのなら、良いか、と思う。俺が気にし過ぎなければいいんだしとひとまず慌てかけた感情を納めて笑う。
「どういうことだと思ったんだ?」
「いや!なんていうか、ええっと」
なんて言えば良いんだろうか、と必死に考える。不快にさせないような、疑問を持たせないような言い方、と考えて慌てていると、レイフさんが、ふっと口元を緩めて笑う。好きな笑い方だ、と思ってつい注視してしまう。
「ま、どうでもいい。了承してくれるってならあとは同室申請するだけだ。良いか?」
「あ、お、おう、良いけど、」
レイフさんは本当に俺と一緒でいいのか?と聞こうとしたのに、じゃあ決まりだ、なんて言われてさっさと行ってしまう細い背中をぽかんと見送ってしまった。
申請しにいったのを見ながら、じゃあ早ければ今晩から同室で寝起きすることになるのかと思うと、緊張しないわけがない。
まいった、とんでもないことを了承して、自分から火の中に飛び込むような真似をしてしまった、と気づいても、もう遅い。あちらは何の疑いもなく誠実に、損得はあってもそれ以上はない気持ちで提案してくれたんだから、自分の僅かな歪んだ感情は捨ておくべきだ。そう思い直して、静かに目を閉じた。俺ならできるだろ、と言い聞かせる。シンシンの為に、彼は喜ばなかっただろう偽善じみた正義感と使命感で突き進んできた結果、両手を汚し、そんな俺を処罰しながらもシンシンとの多くはないだろう残りの人生を過ごすことを優先してくれているレイフさんに、背く真似をするわけにはいかないんだから。
「よし、出来るな」
出来る、絶対だ、と、このときはおもっていた。
× × × × × × ×
ネタバレ:できません
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持ち掛けられたとんでもない話に、なんと返して良いかわからない。きっかけの人、レイフさんはといえば、どうだ、と笑いながらこちらを見るばかりだ。
「ど、どう、って」
この不思議な空間で、色々な惑星から来た人たちと暮らしていて数週間。部屋はある程度あるものの限りもある。どうせなら特別仲のいいやつらは同室でいいんじゃないか、とレイフさんからの提案があった。賛否はあれど部屋数のことを考えれば増設も自力でやらなくてはいけないし、建築が終わるまでまた誰か新しい人が増えることもある、と考えればそれはそうだが。
「どうして俺?」
同室で組もうじゃないかと声をかけて来たのはいいが、てっきりレイフさんはいつも一緒にいる事が多いギゴウさんやジャンルカさんと同室を組むのだと思っていただけに少し動揺する。俺との接点と言えば、所謂契約上の上下関係くらいだろう。それなのに、なんでだ、と思う。
まさかと思うが少しばかりそういう気持ちで見ていたことがバレてるんだろうかと焦る。迷惑をかけないようにしているつもりだったが。でもそんなことでこんな提案する人だっけ?と疑問にも思う。
「これを機にお近づきになっとけばいざってときにアンタに助けてもらえるだろ」
「そ、ういうことかあーーー」
言われた言葉にこんなにも安心することもない。損得とか利害だとかそういう目的があっての関係構築だ、というのなら、良いか、と思う。俺が気にし過ぎなければいいんだしとひとまず慌てかけた感情を納めて笑う。
「どういうことだと思ったんだ?」
「いや!なんていうか、ええっと」
なんて言えば良いんだろうか、と必死に考える。不快にさせないような、疑問を持たせないような言い方、と考えて慌てていると、レイフさんが、ふっと口元を緩めて笑う。好きな笑い方だ、と思ってつい注視してしまう。
「ま、どうでもいい。了承してくれるってならあとは同室申請するだけだ。良いか?」
「あ、お、おう、良いけど、」
レイフさんは本当に俺と一緒でいいのか?と聞こうとしたのに、じゃあ決まりだ、なんて言われてさっさと行ってしまう細い背中をぽかんと見送ってしまった。
申請しにいったのを見ながら、じゃあ早ければ今晩から同室で寝起きすることになるのかと思うと、緊張しないわけがない。
まいった、とんでもないことを了承して、自分から火の中に飛び込むような真似をしてしまった、と気づいても、もう遅い。あちらは何の疑いもなく誠実に、損得はあってもそれ以上はない気持ちで提案してくれたんだから、自分の僅かな歪んだ感情は捨ておくべきだ。そう思い直して、静かに目を閉じた。俺ならできるだろ、と言い聞かせる。シンシンの為に、彼は喜ばなかっただろう偽善じみた正義感と使命感で突き進んできた結果、両手を汚し、そんな俺を処罰しながらもシンシンとの多くはないだろう残りの人生を過ごすことを優先してくれているレイフさんに、背く真似をするわけにはいかないんだから。
「よし、出来るな」
出来る、絶対だ、と、このときはおもっていた。
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ネタバレ:できません