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火種は早めに潰したかった

2021/04/17 05:32
CP無しSSS100個書けるかな期間
※『火種は早めに消すのが良い』の続き

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 バルト・マキは同僚だ。仲も良いと思っているし彼自身もそういう風に接してくれる。かなり堅い男に見られはするものの、素直だし、許容の範囲が大きい奴、と思っている。気になったことはすぐに自分で見に行くのだが、素直な物言いに加えて見た目の厳つさから、ややこしい目にもあったりする。するから、レスラインさんを紹介するのは、と思っていたんだけど、ばったり出くわしてしまっては無視も出来ない。

「バルト、彼女がレスラインさん、こっちの言葉はわからない」
「そうか、ふむ、なるほど分かった」

 じっとりとこちらを睨むレスラインさんに笑いかけても、彼女からは勿論なにも返事がない。

「レスラインサン、彼、バルトッテ言ウ。ヨロシクネ?」
「バルト・マキだ」

 そういってバルトが右手を差し出す。彼女はちらりとその手を見たまま、しかし握手をする意思はないらしい。

「エデルガルド・レスライン」

 手短にそう発言したあと、彼女はバルトの横を通りながら被っていた軍帽だけは小さく外して挨拶にしたらしい。

「……ふん、確かにお前は嫌われそうだな」
「だろ?」
「強そうだ」
「強いと思うよ」
「握手をしないところも良いな」
「ははは、お気に召した?」
「うん、気に入った」

 知ってるよ、と笑う。バルトは昔から自分の意志表示をはっきりする人に好感を持つようだから。だからあまり会わせたくはなかったなと思う。

「ダメだぞ?下手につっかかっちゃ」
「つっかからん。話はしてみたい」
「俺がいるとこでやってよね」
「わかった、そういうなら何かあるんだろう。従う」
「ありがとう」

 彼の好意に裏はないが、裏はないからこそ、見る人が見ると不安になったりするんだよな、と、ノニンのことが頭に浮かんだ。
× × × × × × ×

ド素直のバルトさん(少しノニンちゃんにとって厄介枠

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