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【シリミア】彼の女性の話

2021/04/17 05:19
シリウス×ミアプラ(男女)SSS100個書けるかな期間
「女の一人くらいお前も口説けるようになっといた方が良いんじゃねえのか、顔は悪い方じゃねえんだから」

 そんなことをファゼットさんに言われて、濡れている髪の水分をタオルでとっていた手を止める。何度か瞬きをして、ふっと頭に浮かんだ「女の人」をそのままに、口を一度開いて閉じる。それからファゼットさんを見つめて、何か言わなくちゃと思うのになにも言葉にならない。

「ミアプラさんを口説くんですか?」

 言葉になったのはそのくらいだったけれど、ファゼットさんが驚いた顔をしてからため息をついた。

「女、とはいったが、ミアプラ、とは断定してねえよ。お前の中であいつが女の人判定なのはわかったが」
「違うんですか」
「もっとデカいカテゴリーの話な?大中小のカテゴリの、大の話をしてんの俺は、……まあ、興味ねえなら良いんだけど」
「はあ……」

 口説けるようにならないとなにかまずいんだろうか、と考える。考えてもよくわからない。
 悩んでいればファゼットさんに手招きをされて、隣に座るように促される。そのまま隣に座ると、弱い力で、頭にのせていたタオルをもぞもぞと動かされつつ髪を拭かれる。

「愛想つかされそうにもねえんなら良いんだけどよ」
「誰にですか?」

 大きい溜息が再び聞こえる。

「いやまあ、好きな人とかにだよ」
「はあ……、ファゼットさんも旦那さんも、好きですし嫌われている自覚はないのですが」
「俺とおっさん以外。イオとハレィンも除外だからな?それ以外の外の人、ってことだからな?まずいな、あんまりにも内々で育てすぎたかな」
「一般的と呼ばれるラインでの常識は育ててもらったと思っています」
「うん、まあ、そりゃ、……まあいいか」

 お前はお前の思うようにやればいい、と零しながら、またため息をついたファゼットさんに、首をかしげるしかなかった。
× × × × × × ×

まあいいか(兄の結論

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