ぎゃん、と情けない悲鳴を珍しくカンがあげたな、と見れば少し怒った顔のカンと笑って逃げているマサチカが見えた。

「マサチカ！！！まてこのやろー！！」
「うわーーーごめんっすーー！」

　本気で怒ってるわけじゃない、というのはカンの追いかける速度を見ればわかる。カンの速さならとっくに、何の訓練もしてないマサチカなんか捕まえられると思う。

「じゃれてんなよー」

　騒がしくしてもいいが怒られるのはあの二人なんだよなあと思いながら、追いかけっこを眺め続ける。一応、俺が一番此処にいる三人の中じゃ年下なんだけどなあなんて考えるけど、カンもマサチカも年齢を些細な問題くらいにしか考えてないらしいのは接しやすくて良い。

「だったらシャガ！お前マサチカ捕まえろ！挟み撃ちだ！」
「わーーーだめっすよ！！ヒキョーっす！」
「勝ちゃあいいんだよ！！！」
「俺悪いけど中立ーーー」

　とうとうテーブルをはさんでお互いの動きの読み合いまで始めてる。

「ねえー、二人とも暴れるのやめなー？？」
「マサチカが大人しく掴まればいいんだよなあ！！」
「いやっすよお！」
「怒られても知らないんだけどお！！」

　もう、と二人を見て呆れていると、扉の向こうからカンの同僚だっていうオルトロスさんが見えた。二人を見て、大きい溜息をつき、腰に両手をあてた。

「あーのさ、」

　あ、怒られる奴だな、と直感して、すぐオルトロスさんが二人に説教する声が聞こえて来た。
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若者元気いっぱいまつりです