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【ダンフブ】甘やかしたい人と甘えるのは苦手な人

2021/04/17 05:07
CP雑多SSS100個書けるかな期間
 目の前で何が行われたんだろう、とつい瞬きを多くしてしまう。アマカワさんとミケが談笑しているな、と思った次の瞬間、ハグをした。それはいい。二人は契約している、と聞いたし、契約を交わす、というそのシステムを知っているわけじゃないから、接触を持つことで魔力の受け渡しが行われているのかも、と思ったりもする。それはいい。どうだって。
 問題はアマカワさんがそのままこちらに気づいて手招きしていることだ。

「ええと」

 お邪魔だったかななんて馬鹿な事は言わない。ミケとアマカワさんはそういう親しい仲じゃない。かといってあまりかかわりのない自分がそこに招かれる理由も思いつかない。

「ダン、お疲れ」
「やあ、お疲れミケ」

 何でもないように話しかけてくれながらミケに少しだけ安心する。その後ろをずるり、と彼女が身体をうねらせてついてくる。

「アマカワさんがダンもどうか、って」
「えっ、何が」
「はグ」

 ん、と両手を広げられ微笑まれる。どうかと言われても、アマカワさんとそこまで親しいわけでもないのにするわけにはいかない。

「遠慮するよ、アマカワさんは女性だから、変に勘違いされちゃいやな気持ちにさせてしまう」
「気にしなイ!」

 ん、と両手を広げられる。広げられて、やはり微笑まれる。

「そうは言っても、」
「アマカワさん、ダンが遠慮しているので……」
「ン~~、わかっタ」

 ミケのおかげで、彼女が両手を下ろしてくれたことにほっとすると、代わりにとでも言うように頭を撫でられる。

「アマカワさん、俺そんなに」

 子どもに見えるのかいと聞くのは違う、と感じて口を閉じる。年は俺がいくつか上の筈だけど、まあ、此処で年齢がどうだとか言うのはナンセンスだ。

「がんばってル、ダン」
「いや、その、うーーーん」
「ダンはもう少し人に頼っても良いんだよってことだと思うよ」
「ええ……??」

 アマカワさんは人を甘やかすの好きだからね割と、というミケの言葉に、嬉しそうに此方を見て頷く彼女の笑顔がなんだか、嬉しくて、恥ずかしい、と思った。

× × × × × × ×
ダンは甘え下手だと思ってるわ

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