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【レイフとアンカ】ただの日常会話
2020/12/31 23:15CP無しSSS100個書けるかな期間
「よう、アンカさん、暫くぶりに見たな」
公園のベンチで座っていた所に、そう声をかけてきたのは雇い主で、頭があがらない存在、といってもいいレイフさんだ。
「そうだな、そんな気がする」
静かに隣に腰かけて来たレイフさんを気にしながらも、ぼんやりと噴水を眺める。仕事の話だろうか、なんだろうか、と考えて、待っているが一向に会話は振られない。
「プライベートなんでね、今。身構えなくっていいぜ」
「服、いつも通りなのにか?」
「丁度、仕事あがりだ」
ぎし、とベンチの背もたれが鳴る。そうなのか、と思いながら何の会話があるわけでもなく時間が過ぎていく。あまりそういえばレイフさんとは会話したことないな、と思う。ジャンルカさんとならするんだが。彼はあまり見回りで動くだとかはしないほうだし仕方ないか。
「レイフさん、いつもこのくらいなのか?」
「今日は早上がりだな」
「そっか、大変そうだな」
「まあな」
公園じゃ、色々な種族の子どもたちが楽しそうに遊んでいる。噴水に手を突っ込む子もいるし、花を摘んでいる子もいる。ボール遊びに夢中なのも色々だ。
「平和的でいいもんだ」
「そうだな、レイフさんたちのおかげだと思うよ」
ここのコロニーはジャンルカさんとレイフさんが立ち上げたと聞く。種族も身分も問わず、こうして仲良く子どもたちが遊べて、安心して生活が送れるのは彼らのおかげだ。表には決して出てこないし、管理者は秘匿されているらしいけど。
レイフさんの方へ視線を向ければ、ふっと柔らかに微笑む。
「アンカさんやレヴェンデルさんたちの力添えもある。皆が手を貸してくれてるから出来てんだよ」
「うーん。でもな、俺、一応犯罪者だしなあ、素直には喜べないかもだが、ありがとう」
「犯罪者とっちめてた犯罪者だな、確かに」
レイフさんは口こそ悪いが、笑い方はそうでもない、と今わかった。静かに笑う男なんだなと思う。
「暇か?アンカさん」
「うん?うん、暇かな、なんだ?飯でも食うか?」
「そうだな、そうしようか。折角だから奢るぜ、年上なんでな、俺」
「同じくらいに見えるんだけどなあ」
彼がそう言うならそうなんだろう、と思う。深く聞いてこないのがレイフさんの好きな部分だ。
「俺すごい食べるんだけどいいのか?」
「困りはしねえな」
ヒュウ、とつい口笛を鳴らしてしまう。太っ腹なんだな、とそういう事も今初めて知った。
「ジャンルカとはよく話すが俺とはそうでもないだろ、折角だからと思ってな」
「そうだな、俺もレイフさんと話してみたい」
決まりだな、と呟いた彼は物静かに立ち上がって、優しい笑顔を浮かべた。
× × × × × × ×
題名まま、ですが、こういうのが好きだ
公園のベンチで座っていた所に、そう声をかけてきたのは雇い主で、頭があがらない存在、といってもいいレイフさんだ。
「そうだな、そんな気がする」
静かに隣に腰かけて来たレイフさんを気にしながらも、ぼんやりと噴水を眺める。仕事の話だろうか、なんだろうか、と考えて、待っているが一向に会話は振られない。
「プライベートなんでね、今。身構えなくっていいぜ」
「服、いつも通りなのにか?」
「丁度、仕事あがりだ」
ぎし、とベンチの背もたれが鳴る。そうなのか、と思いながら何の会話があるわけでもなく時間が過ぎていく。あまりそういえばレイフさんとは会話したことないな、と思う。ジャンルカさんとならするんだが。彼はあまり見回りで動くだとかはしないほうだし仕方ないか。
「レイフさん、いつもこのくらいなのか?」
「今日は早上がりだな」
「そっか、大変そうだな」
「まあな」
公園じゃ、色々な種族の子どもたちが楽しそうに遊んでいる。噴水に手を突っ込む子もいるし、花を摘んでいる子もいる。ボール遊びに夢中なのも色々だ。
「平和的でいいもんだ」
「そうだな、レイフさんたちのおかげだと思うよ」
ここのコロニーはジャンルカさんとレイフさんが立ち上げたと聞く。種族も身分も問わず、こうして仲良く子どもたちが遊べて、安心して生活が送れるのは彼らのおかげだ。表には決して出てこないし、管理者は秘匿されているらしいけど。
レイフさんの方へ視線を向ければ、ふっと柔らかに微笑む。
「アンカさんやレヴェンデルさんたちの力添えもある。皆が手を貸してくれてるから出来てんだよ」
「うーん。でもな、俺、一応犯罪者だしなあ、素直には喜べないかもだが、ありがとう」
「犯罪者とっちめてた犯罪者だな、確かに」
レイフさんは口こそ悪いが、笑い方はそうでもない、と今わかった。静かに笑う男なんだなと思う。
「暇か?アンカさん」
「うん?うん、暇かな、なんだ?飯でも食うか?」
「そうだな、そうしようか。折角だから奢るぜ、年上なんでな、俺」
「同じくらいに見えるんだけどなあ」
彼がそう言うならそうなんだろう、と思う。深く聞いてこないのがレイフさんの好きな部分だ。
「俺すごい食べるんだけどいいのか?」
「困りはしねえな」
ヒュウ、とつい口笛を鳴らしてしまう。太っ腹なんだな、とそういう事も今初めて知った。
「ジャンルカとはよく話すが俺とはそうでもないだろ、折角だからと思ってな」
「そうだな、俺もレイフさんと話してみたい」
決まりだな、と呟いた彼は物静かに立ち上がって、優しい笑顔を浮かべた。
× × × × × × ×
題名まま、ですが、こういうのが好きだ