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【ギゴホラ】私の可愛い人、

2020/12/24 04:14
ギゴウ×ホライゾン(男男)SSS100個書けるかな期間
 手が伸びて来た、と気づいて反射的に、それはもう無意識に、昔から嫌というくらい覚えこまされた、染みついた行動で顔を逸らした。逸らしたら、手を伸ばしてきたギゴウ君がくすくすと笑う。

「ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど、」
「いいや、急に動いたのは俺だ。気にしていない」

 そう言いながらもう一度目の前で手が伸びて来た。そのまま動かずにいるとそっと髪を耳へかけるような動きをされて、微笑まれる。なんだかくすぐったいんだけど、と思いながら視線を泳がせているとさらに笑われる。嫌じゃないからいいのだけど、彼といると年下のように(実際、吾輩の方が年下だろうなと感じるのだけれど)甘やかされてしまう気がする。

「なあに?」

 すり、と彼の掌が頭を撫でて、指先が前髪をそっと払う。柔らかに瞳が細められて、もう一度彼が笑うのを、困惑しながら見るしかない。

「いいや、好きな相手に触れたくなっただけだ、何もない」
「そ、そ、そういう、こと、するするっと言えるの、ギゴウ君すごいよね」
「そうか?お前には負ける」

 吾輩、君みたいに小説とかアニメとか、漫画で出そうなセリフ当たり前のように吐かない、気がするんだけど言ってるのかなと思いながら口ごもる。ファゼット君にも注意されるけど、言ってるのかも。やばい。

「言葉、で、という意味ではなく態度の話だ」
「た、態度?」
「ふふふ、……こうして好き勝手させてくれる、お前からの信頼を感じる」

 さ、っと顎を捉えられてキスされる。あんまりにも自然過ぎるんだけど、流れが。流れがかなり迷いないんだけど、と思いながらうぐぐ、と呻く。呻くと、彼はまた笑って、それから好きだなんて囁くので、小さく頷いた。

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小話100個かけるかなチャレンジ

スマートな攻め、良い

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