SSS倉庫

強がりな君を引き留める事

2020/12/24 04:10
CP無しSSS100個書けるかな期間
「ひっでえ顔だなーーー、ダン!」
「開口一番、言ってくれるじゃないか」

 会議終わりにソゾから個別の通話ルームへの案内が来て入って見ればそんなやりとりが聞こえてくる。確かにダンの顔は普通なら全くわからないだろうが付き合いが長いのならわかりやすく「疲れている」のが顔に出ているとは思っていた。そんなことを直接彼に進言できるのはソゾかジェルヴェくらいだろうか。

「ミハルもそう思うだろ!?」
「そうだな、酷い顔だな」

 頷きながらそう返すと、ほらな、というソゾの声。少し怒っているらしいなと思いながらダンを見れば変わらない笑顔を張り付けたまま顎を撫でる。

「酷くないよ、こんなにいい男なのに」
「はーぐーらーかーすーなー!!」
「うーん、何の事かなあ」
「ダン!!こんにゃろ!」

 こういう時は大体何か手が離せない処理事が詰まっているんだろうと思う。彼だけに降りかかる事じゃないがそれなりに大変ではあるだろう。

「休めそうなら休んでおけ、それか俺に回せ」

 はっきりそう言ってやると、ダンが困ったように笑う。

「俺の仕事だから、と言うのは無しだ」
「まいったな」
「部下の仕事を負担を減らすのは構わんがお前が倒れてはしょうがないだろ」

 そうだぞ、というソゾはうんうんと頷いてる。

「ソゾに回してやれ」
「お、いいぞーーー俺が手をつけていい案件ならやるから、遠慮すんなよ」
「俺の事そんな、甘やかさないでよ、二人とも」

 はあ、と深く息をつく音が聞こえてくる。

「俺たちに甘えた方が良いぞ?」

 ダンはあまり他人に頼りたがらない。元々の性格もあるとは思うが。一応頼られても負担には思わないということを示したが通じたかはわからない。通じているはずではあるが。

「そーだぞ!!いいこいいこしてやろうか」
「よしてよ、されるならミハルから労われたい」
「わかる」
「俺にか」

 うん、と二人が同時に頷いて笑いが零れる。

「してやろうか、お望みとあらば」
「え、」
「えっ、いいのかよ」
「いいぞ、とびきり甘やかしてやる」

 クク、と笑うと二人ともきらきらと目が輝いている気がする。何で俺に労われたいのかいまいちわからないが、二人が良いなら良いんだろう。

「ダンはまずきちんと休め、良いな?」
「はぁい」

× × × × × × ×
小話100個かけるかなチャレンジ

ダンちゃんを甘やかそうとするやつ

コメント

コメントを受け付けていません。