SSS倉庫
【ダンフブ】敵わない人
2020/12/24 03:54CP雑多SSS100個書けるかな期間
「今日はあと一時間後から雨の予定になっているよ、アマカワさん」
「ン?」
休憩室でくつろいでいた女性へそう声をかける。ずるりと蛇のような下半身を動かしてそれからこちらを不思議そうに、片目が見ている。
「ここの休憩室、少し古いからね。冷えるんじゃないかな」
「……オォ、そうカ」
他の部屋なら良いんだろうけど、ここはちょっと冷気が通りやすいから、温度の影響を受けやすい彼女が万が一眠ってしまって体調なんか崩したら大変じゃないかな、と思う。
のそりと起き上がった彼女はそのままずるりと体を動かして、横を通り過ぎていく。
「ありがとウ」
ぴたりと隣で立ち止まって、微笑む彼女は随分優しい顔をしていて、好戦的に笑う所も好ましいんだけれど、こういう顔も、好ましいと思う。うん。
「いいえ、どういたしまして。部下の健康管理も俺の仕事だからね」
「ふふフ、そうカ?ブカだかラ、シンパイしたのカ?」
にやにや、と言った感じだろうか、覗き込んできた彼女の笑顔を例えるならそんな笑い方だ。咳払いしたくなるのを堪えつつ笑う。笑顔を作るのは得意だ。
「勿論、部下だから心配したとも」
「フーン」
「……なんだい?」
「ベツに?ありがとうございまス、ダ」
くく、と笑う彼女は相変わらずこっちの頭を撫でて去っていく。本当に年下扱いされているな、と思いながら彼女の後姿に声をかける。
「アマカワさん、」
「ン?」
「身体を冷やさないように、これは、上司とか部下だとかじゃなく……俺個人から」
「……ハハ、シンパイ、どーモ、ダン」
片手をひらりと振って、彼女の姿は徐々に遠く、小さくなっていった。なんだか彼女には、敵わない、という言葉が浮かぶ。まいったな、と口の中で留めた言葉を今一度飲み込んだ。
× × × × × × ×
小話100個かけるかなチャレンジ中!
見透かされてるような気持になっちゃうダンちゃん
「ン?」
休憩室でくつろいでいた女性へそう声をかける。ずるりと蛇のような下半身を動かしてそれからこちらを不思議そうに、片目が見ている。
「ここの休憩室、少し古いからね。冷えるんじゃないかな」
「……オォ、そうカ」
他の部屋なら良いんだろうけど、ここはちょっと冷気が通りやすいから、温度の影響を受けやすい彼女が万が一眠ってしまって体調なんか崩したら大変じゃないかな、と思う。
のそりと起き上がった彼女はそのままずるりと体を動かして、横を通り過ぎていく。
「ありがとウ」
ぴたりと隣で立ち止まって、微笑む彼女は随分優しい顔をしていて、好戦的に笑う所も好ましいんだけれど、こういう顔も、好ましいと思う。うん。
「いいえ、どういたしまして。部下の健康管理も俺の仕事だからね」
「ふふフ、そうカ?ブカだかラ、シンパイしたのカ?」
にやにや、と言った感じだろうか、覗き込んできた彼女の笑顔を例えるならそんな笑い方だ。咳払いしたくなるのを堪えつつ笑う。笑顔を作るのは得意だ。
「勿論、部下だから心配したとも」
「フーン」
「……なんだい?」
「ベツに?ありがとうございまス、ダ」
くく、と笑う彼女は相変わらずこっちの頭を撫でて去っていく。本当に年下扱いされているな、と思いながら彼女の後姿に声をかける。
「アマカワさん、」
「ン?」
「身体を冷やさないように、これは、上司とか部下だとかじゃなく……俺個人から」
「……ハハ、シンパイ、どーモ、ダン」
片手をひらりと振って、彼女の姿は徐々に遠く、小さくなっていった。なんだか彼女には、敵わない、という言葉が浮かぶ。まいったな、と口の中で留めた言葉を今一度飲み込んだ。
× × × × × × ×
小話100個かけるかなチャレンジ中!
見透かされてるような気持になっちゃうダンちゃん