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【ソゾミケ】かわいいひと

2019/03/04 03:06
ソゾ×ミケ(男男)
 ソゾの書類の山が片付いてきた。今どき紙媒体で書類寄越すなよと半ば物理的に見える仕事量に愕然としていたものの、ぶつくさいいながら頑張って片付けているというより、処理能力が低いわけではないのでどんどん片付いていく。

「もう少しだね」
「おお、ごめんな、待っててくれ」
「うん」

 良いよ、気にしてないと言えば俺が気にすると笑われる。
 そういう所が優しくて好きだと思う。デリカシーがないってカタシロは怒るけど、素直さが俺は好きだし、ソゾの明るいとこがずっとずっと好きで見てた。

「がんばれ」
「……やる気出て来た」

 わかりやすく進みが早くなるのもちょっとくすっとしてしまう。

「ソゾ、スピード早くなるのはいいけど間違わないでね」
「間違わないってー平気平気」
「俺がカタシロに怒られちゃうよ」
「カタシロはそんなことでミケを怒んねえよ」
「うん、そうだと思う」

 俺の返事ににかっと笑うソゾは楽しそうだ。
 どれくらいかな、と立ち上がって近づく。覗き込むともう少しで終わるんだろうなという段階だ。ソゾはあっけらかんとしているし雑に見えるけどきちんと仕事はする(当たり前だけどこの当たり前が難しいと思う)し、しっかり一文字一文字捉えて読んでいる。

「ミケー」
「え?なに」

 甘えたような声でこちらを見つめてきて少しドギマギしながら見つめ返す。相変わらず大きくて何でも映しそうな瞳だ。

「頑張るので俺にがんばれっていって…」
「え……もうちょっとだよ」
「もーーーーちょっとがめんどくさい」
「あぁ……」

 ぐるぐるとペンを回している手の甲、人差し指の根元の関節を中指で少しぎゅっと押すとペン回しを止めてくれた。代わりに手の甲をぐっと押し付けられたので邪魔にならない程度に掌でソゾの手の甲を手袋越しにそっと撫でる。この手袋の下にある彼の手は傷だらけで、人目に触れさせるのを彼は気にしている。

「ソゾ」
「ん?」
「…仕事してるソゾ、かっこよくて、好き、です」

 途端にペンを置いて椅子ごとぐるりとこっちを向いたソゾがマジの顔だったので、背もたれを掴んで再び机に向かわせる。

「くっそ!!!くっそ!!!」
「ダメ」
「ミケーー!!」

 ダメだ可愛い事言わないでくれ、なんて机に額を押し付けてじたばたしている姿がなんだか駄々っ子みたいで噴き出してしまった。

◆ ◆ ◆
可愛いカップル描いちゃったー様から
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