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【IFCP】悪い大人と毒牙
2020/11/23 03:08IFCPのSSS
実はシリーズだったりするんだねこの単独
ガエル×オルソ
前:悪い大人の毒牙
× × × × × × ×
「コーヒーがいいか?それとも紅茶?」
「お任せします」
今日も月に一度か、二度の彼の来訪だった。タブレット端末を持って操作をするがこちらが話しかけるときちんと画面から目を離して顔を向ける真面目な男だ。調度品は自分のサイズだから普通よりは大きいし、ゆったりしているものが好きだからソファーも広くて大きいし、俺よりも高い、2mありそうなガエルが座っても余裕に見えている。横幅は、ロングコートに隠れて見えづらいがまあ、俺よりは華奢なのかもしれない。
「ははは、じゃあ言い方を変えよう。ガエルが飲みたい方はどっちかな?」
「……私が?」
「そう」
「オルソさんが手間のかからない方で私は、」
「ガエルが飲みたいほうを淹れようと思ってるんだけど、それとも甘いジュースがいいかな?」
「……紅茶、で」
「わかった、紅茶だね」
申し訳なさそうな顔で一言、そういった彼に笑いかけてから紅茶を用意する。集めるのが趣味、みたいなところはそもそもあるので茶葉もそれなりな種類を少しずつ揃えている。前に商船が来た時に買い付けた詰め合わせのセットの缶もあるし、それなりに、種類はある。
「希望があれば言ってくれると助かるかな、何でもいい、以外でね」
「……特に、これといって」
「いろいろ飲んでるタイプかな?」
「ダージリン、が、好きです」
「そうか、ちょうどあって良かった、俺もこれは好きだな、アッサムも好きだけど…今度よかったらガエルが淹れた紅茶をごちそうになりたいかな」
「……私の?」
「うん」
紅茶を淹れながら彼は一体なんと返すのか、と予想しながら時間を見る。凝ってるタイプでもないし、きっちり淹れれば美味しい、というのはわかってはいるけど少し雑、なくらいがいいのだ。
「俺は紅茶の淹れ方あんまり詳しくないから。ガエルは詳しそうだし」
こうやって、話題を引き出せるし。
「…私でよければ、」
「じゃあ次は俺が予定をいれるから、覚えておいてくれると嬉しいかな」
ソーサーにのせたティーカップを置きながらそう笑うと、彼は神妙な顔をして一つ頷いた。いただきます、と添えてから少しずつ紅茶を減らしていく彼を見ながらさてどうするか、と考える。恋愛経験はたぶんあまりないのだろう、と、一人の男しかまともに愛さなかった自分が言ってもしょうがないが、彼は下手だ。
感情を表へきちんと出して見せる、という事が下手だな、と、彼を見ていて感じたことがそれだった。
ロルフと比べてはいけないのだろうが、彼は彼で大分素直に感情を吐露してくれるタイプだったし、自分の周りにいた子もそういう、表現をする子たちばかりだったから、なおさらだった。
それでも彼から確かに好意が向けられていることを感じ取れたのは経験豊富な昔の男ののろけ話の数々のおかげだと思っているし、彼とつきあって、別れて、肉体だけの関係もずるずる続けて後悔したことは確かに多かったが経験値にはなっていた。
「ガエルはピアスが好きかな?」
「え、ええ、」
「洒落た格好してるもんな」
チャリ、と彼の耳たぶから下がっている青く細長い円のピアスに指先で触れる。残念ながら、両肘から先は機械で高度なセンサーはついているから多少の感覚は伝わっても、生身で感じていたものにははるかに劣る。
「いつも外に羽織っているやつは赤だけど、そのロングコートは青いし…ガエルは青色が好きかな?」
「そ、そう、ですね、どちらかといえば」
「そうか」
そわそわと瞳が微かに泳いでいる。思わず目を細めて、人差し指で耳の近くを擽るように掠めてやると、ぎょっとしたように目を見開くが、どうかしたのか、という顔をして見せた。
「じゃあガエルの誕生日にはピアスを送ってあげようか」
「えっ…そ、そんな、」
「うーん、そうか、じゃあ、送らせてほしいな、先輩として、…ダメかな?」
「で、すが、」
「ははは、そんな高いものは送らないよ大丈夫」
肩を叩いてそう一言添えてやっと安心したのか、それとも別の何かだったのか、やっと首を縦に振ってくれたことにふ、っと口が緩む。ガエルも身に着けているものは良いものばかりだし、目は肥えている方なんだろう。恐らくこの家の中の調度品が大量生産品でないことくらいは何となく察しているはずだ。だから警戒したんだろう。
「同郷のよしみだし、弟みたいに可愛がっている君に送るんだから」
「ありがとうございます」
× × × × × × ×
年上の、エッチなお姉さん枠だっていう主張なんだわ(オルソさんが
ガエル×オルソ
前:悪い大人の毒牙
× × × × × × ×
「コーヒーがいいか?それとも紅茶?」
「お任せします」
今日も月に一度か、二度の彼の来訪だった。タブレット端末を持って操作をするがこちらが話しかけるときちんと画面から目を離して顔を向ける真面目な男だ。調度品は自分のサイズだから普通よりは大きいし、ゆったりしているものが好きだからソファーも広くて大きいし、俺よりも高い、2mありそうなガエルが座っても余裕に見えている。横幅は、ロングコートに隠れて見えづらいがまあ、俺よりは華奢なのかもしれない。
「ははは、じゃあ言い方を変えよう。ガエルが飲みたい方はどっちかな?」
「……私が?」
「そう」
「オルソさんが手間のかからない方で私は、」
「ガエルが飲みたいほうを淹れようと思ってるんだけど、それとも甘いジュースがいいかな?」
「……紅茶、で」
「わかった、紅茶だね」
申し訳なさそうな顔で一言、そういった彼に笑いかけてから紅茶を用意する。集めるのが趣味、みたいなところはそもそもあるので茶葉もそれなりな種類を少しずつ揃えている。前に商船が来た時に買い付けた詰め合わせのセットの缶もあるし、それなりに、種類はある。
「希望があれば言ってくれると助かるかな、何でもいい、以外でね」
「……特に、これといって」
「いろいろ飲んでるタイプかな?」
「ダージリン、が、好きです」
「そうか、ちょうどあって良かった、俺もこれは好きだな、アッサムも好きだけど…今度よかったらガエルが淹れた紅茶をごちそうになりたいかな」
「……私の?」
「うん」
紅茶を淹れながら彼は一体なんと返すのか、と予想しながら時間を見る。凝ってるタイプでもないし、きっちり淹れれば美味しい、というのはわかってはいるけど少し雑、なくらいがいいのだ。
「俺は紅茶の淹れ方あんまり詳しくないから。ガエルは詳しそうだし」
こうやって、話題を引き出せるし。
「…私でよければ、」
「じゃあ次は俺が予定をいれるから、覚えておいてくれると嬉しいかな」
ソーサーにのせたティーカップを置きながらそう笑うと、彼は神妙な顔をして一つ頷いた。いただきます、と添えてから少しずつ紅茶を減らしていく彼を見ながらさてどうするか、と考える。恋愛経験はたぶんあまりないのだろう、と、一人の男しかまともに愛さなかった自分が言ってもしょうがないが、彼は下手だ。
感情を表へきちんと出して見せる、という事が下手だな、と、彼を見ていて感じたことがそれだった。
ロルフと比べてはいけないのだろうが、彼は彼で大分素直に感情を吐露してくれるタイプだったし、自分の周りにいた子もそういう、表現をする子たちばかりだったから、なおさらだった。
それでも彼から確かに好意が向けられていることを感じ取れたのは経験豊富な昔の男ののろけ話の数々のおかげだと思っているし、彼とつきあって、別れて、肉体だけの関係もずるずる続けて後悔したことは確かに多かったが経験値にはなっていた。
「ガエルはピアスが好きかな?」
「え、ええ、」
「洒落た格好してるもんな」
チャリ、と彼の耳たぶから下がっている青く細長い円のピアスに指先で触れる。残念ながら、両肘から先は機械で高度なセンサーはついているから多少の感覚は伝わっても、生身で感じていたものにははるかに劣る。
「いつも外に羽織っているやつは赤だけど、そのロングコートは青いし…ガエルは青色が好きかな?」
「そ、そう、ですね、どちらかといえば」
「そうか」
そわそわと瞳が微かに泳いでいる。思わず目を細めて、人差し指で耳の近くを擽るように掠めてやると、ぎょっとしたように目を見開くが、どうかしたのか、という顔をして見せた。
「じゃあガエルの誕生日にはピアスを送ってあげようか」
「えっ…そ、そんな、」
「うーん、そうか、じゃあ、送らせてほしいな、先輩として、…ダメかな?」
「で、すが、」
「ははは、そんな高いものは送らないよ大丈夫」
肩を叩いてそう一言添えてやっと安心したのか、それとも別の何かだったのか、やっと首を縦に振ってくれたことにふ、っと口が緩む。ガエルも身に着けているものは良いものばかりだし、目は肥えている方なんだろう。恐らくこの家の中の調度品が大量生産品でないことくらいは何となく察しているはずだ。だから警戒したんだろう。
「同郷のよしみだし、弟みたいに可愛がっている君に送るんだから」
「ありがとうございます」
× × × × × × ×
年上の、エッチなお姉さん枠だっていう主張なんだわ(オルソさんが