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【IFCP】本日はお日柄もいいらしい
2020/11/23 02:59IFCPのSSS
ガエル←松葉太陽
× × × × × × ×
拝啓、好きな人が出来ました。
まあ、それはいい。別に恋愛推奨派ではないがいざ我が身のこととなると別にこんなもんなのか程度だ。
相手の事を無意識に目で追いかけたり、何かと自分の中で理由をつけたり折り合いをつけたうえで意中の人と話したり、相手も相手で博識なものだから色々知れて良いし、外見も、背は少し大きい人だがユウェンスさんに比べたら派手でもないし奇抜なオプションパーツ(獣耳とか翼とか鱗とか)がついてるわけでもないので初見で身構えることもしなかったというのもある。
「ありがとうございます、勉強になりました」
「いえ、お役に立てたなら良かった」
問題は、相手も男性、というところ、ではない。まあそれもかなりウェイトのデカイ問題だがそれ以上の問題。相手はどうも年上が好き、と言うことだ。
一回り以上も離れた俺は年下で、逆立ちして庭一周決めるくらい頑張らないと相手を振り向かせる段階に行かないだろう、というのが大問題。
そもそも同性に対してどうアピールするんだ。誠実そうというか生真面目そうだから肉体関係からというのはやばそう。絶対嫌われるに決まってる。
ガエル・レオパールさん。2m近い背丈があって、学者さんらしい。ホライゾンさんという吸血鬼の(これもこれでどうなってんだと思うが)学者さんと一緒に研究面をサポートしてくれている。
礼儀正しく話して、年齢の上下を問わずに態度がほとんど変わらない。笑うと少し可愛くて、こっちのパーソナルスペースも配慮に入れてくれる人、で、気が付いたらまあ、ストンと、ああ好きなんだな俺はと気が付くことになったものの、問題は年上がタイプという情報を梔子さん(匡周さんの方だ)から入手したことが、まあ、問題。最近の悩みの種。
年上が好き、なのはまあなんとなくわかる。多分、もしかしたら、誰かに甘えたいのかもしれない。でもそれって、まあ、年下の俺でも出来るんじゃないか?と思わなくもない。だってそうだろ。友達だって年下の彼女つくってて疲れたら甘やかされてるなんていってたし。まあこれは女性特有の母性みたいなあれなのか?と思わなくもないが、つかれてる相手を甘やかすことくらいは俺だって出来る。と思う。思いたい…。
そうじゃなきゃまず俺は同じ土俵に上がることも出来ないわけだろ。誰ってそりゃ年上各位だ。
「あの」
「はい」
「レオパールさんって普段は何の学者さんなんですか?」
とりあえず、会話を多く取り持つことが大事だ。何事も。相手に認識されるところから始めよう。例えば相手が全くこっちのことがアウトオブ眼中だったとしてもだ。若干かったるいというかむなしい気もするが。
「言語翻訳をしています」
「へえ……じゃあ色々話せるんですか?」
「レヴェンデル卿ほどではないのですが、一応」
「ホライゾンさんと比べるのヤバイですよ」
謙虚だなあと思ったものの比較対象は長生きしてそうな吸血鬼だぞ。正直そんな年数数十倍ありそうな相手と比較するのは謙遜とか言うレベルじゃねえだろと思ってしまう。
「そう、ですかね」
「普通に考えたら十分凄いですって。ホライゾンさんはなんでしたっけ、吸血鬼みたいな人なんでしょ??年数のけた違うんじゃないんですか」
「確かにレヴェンデル卿とは200歳ほど離れてはいますが…」
「二世紀レベルじゃないですか」
「二世紀?」
「ああーっと…俺の世界の年数の単位っていうか…100で一世紀っていうか」
「暦の数え方のようなものでしょうか?」
「あ―まあ…」
なるほど、と頷いてくれるが俺の学があまりにもふんわりなのが露呈しただけだった。
それでも馬鹿にしたり知識を鼻にかけたりすることが、レオパールさんもホライゾンさんもないので、賢い人なんだな、と思う。
「200年生きてる人の知識量と、100年生きるか定かじゃない人の知識量比較するのは違うっていうか、レオパールさんは十分凄いですって…」
「……ありがとうございます」
あーもう、俺の言葉じゃまだ全然らしいことが露骨にわかってしまう顔だ。困った様な顔。ホライゾンさんが褒めていた時は心底嬉しそうな顔で笑ってたのを見たことがあるせいでなんとももやもやする。
嫉妬?当然するだろ…。無理無理。ジャンプしても届かない、詰めれない幅があるのをこっちはあの手この手で詰めなきゃないのに、あっさりそれを引き出せてしまう年上の人たちにやきもきしないわけがない。生まれた年数ははやめられないしまかり間違っても年齢逆転もありえない。転びやすさで言えば年上の人に軍配が上がりっぱなしのなかでせっせとこっちは詰め寄らないと見てすらもらえない。
(はあーがんばる、かあ)
いつになるとも、叶うともしれない自覚した恋に、膝を突き合わせて向かうしかないだろう。
× × × × × × ×
片思いやなって
× × × × × × ×
拝啓、好きな人が出来ました。
まあ、それはいい。別に恋愛推奨派ではないがいざ我が身のこととなると別にこんなもんなのか程度だ。
相手の事を無意識に目で追いかけたり、何かと自分の中で理由をつけたり折り合いをつけたうえで意中の人と話したり、相手も相手で博識なものだから色々知れて良いし、外見も、背は少し大きい人だがユウェンスさんに比べたら派手でもないし奇抜なオプションパーツ(獣耳とか翼とか鱗とか)がついてるわけでもないので初見で身構えることもしなかったというのもある。
「ありがとうございます、勉強になりました」
「いえ、お役に立てたなら良かった」
問題は、相手も男性、というところ、ではない。まあそれもかなりウェイトのデカイ問題だがそれ以上の問題。相手はどうも年上が好き、と言うことだ。
一回り以上も離れた俺は年下で、逆立ちして庭一周決めるくらい頑張らないと相手を振り向かせる段階に行かないだろう、というのが大問題。
そもそも同性に対してどうアピールするんだ。誠実そうというか生真面目そうだから肉体関係からというのはやばそう。絶対嫌われるに決まってる。
ガエル・レオパールさん。2m近い背丈があって、学者さんらしい。ホライゾンさんという吸血鬼の(これもこれでどうなってんだと思うが)学者さんと一緒に研究面をサポートしてくれている。
礼儀正しく話して、年齢の上下を問わずに態度がほとんど変わらない。笑うと少し可愛くて、こっちのパーソナルスペースも配慮に入れてくれる人、で、気が付いたらまあ、ストンと、ああ好きなんだな俺はと気が付くことになったものの、問題は年上がタイプという情報を梔子さん(匡周さんの方だ)から入手したことが、まあ、問題。最近の悩みの種。
年上が好き、なのはまあなんとなくわかる。多分、もしかしたら、誰かに甘えたいのかもしれない。でもそれって、まあ、年下の俺でも出来るんじゃないか?と思わなくもない。だってそうだろ。友達だって年下の彼女つくってて疲れたら甘やかされてるなんていってたし。まあこれは女性特有の母性みたいなあれなのか?と思わなくもないが、つかれてる相手を甘やかすことくらいは俺だって出来る。と思う。思いたい…。
そうじゃなきゃまず俺は同じ土俵に上がることも出来ないわけだろ。誰ってそりゃ年上各位だ。
「あの」
「はい」
「レオパールさんって普段は何の学者さんなんですか?」
とりあえず、会話を多く取り持つことが大事だ。何事も。相手に認識されるところから始めよう。例えば相手が全くこっちのことがアウトオブ眼中だったとしてもだ。若干かったるいというかむなしい気もするが。
「言語翻訳をしています」
「へえ……じゃあ色々話せるんですか?」
「レヴェンデル卿ほどではないのですが、一応」
「ホライゾンさんと比べるのヤバイですよ」
謙虚だなあと思ったものの比較対象は長生きしてそうな吸血鬼だぞ。正直そんな年数数十倍ありそうな相手と比較するのは謙遜とか言うレベルじゃねえだろと思ってしまう。
「そう、ですかね」
「普通に考えたら十分凄いですって。ホライゾンさんはなんでしたっけ、吸血鬼みたいな人なんでしょ??年数のけた違うんじゃないんですか」
「確かにレヴェンデル卿とは200歳ほど離れてはいますが…」
「二世紀レベルじゃないですか」
「二世紀?」
「ああーっと…俺の世界の年数の単位っていうか…100で一世紀っていうか」
「暦の数え方のようなものでしょうか?」
「あ―まあ…」
なるほど、と頷いてくれるが俺の学があまりにもふんわりなのが露呈しただけだった。
それでも馬鹿にしたり知識を鼻にかけたりすることが、レオパールさんもホライゾンさんもないので、賢い人なんだな、と思う。
「200年生きてる人の知識量と、100年生きるか定かじゃない人の知識量比較するのは違うっていうか、レオパールさんは十分凄いですって…」
「……ありがとうございます」
あーもう、俺の言葉じゃまだ全然らしいことが露骨にわかってしまう顔だ。困った様な顔。ホライゾンさんが褒めていた時は心底嬉しそうな顔で笑ってたのを見たことがあるせいでなんとももやもやする。
嫉妬?当然するだろ…。無理無理。ジャンプしても届かない、詰めれない幅があるのをこっちはあの手この手で詰めなきゃないのに、あっさりそれを引き出せてしまう年上の人たちにやきもきしないわけがない。生まれた年数ははやめられないしまかり間違っても年齢逆転もありえない。転びやすさで言えば年上の人に軍配が上がりっぱなしのなかでせっせとこっちは詰め寄らないと見てすらもらえない。
(はあーがんばる、かあ)
いつになるとも、叶うともしれない自覚した恋に、膝を突き合わせて向かうしかないだろう。
× × × × × × ×
片思いやなって