「あの、」

　あの。言って、その先になんと告げようか迷って口を閉ざす。いい天気ですね、は、なんともありきたりでわかっていること、と言われそうで、寒くはないかと聞くには暖かすぎて、彼女とどんな話題を持とう、と思って、口を閉ざしてしまう。
　彼女は、なに、とも聞き返さず、ただ此方を見て、それからぼんやりと目の前の噴水を眺めているように思う。

「あ、の、」

　何か会話を、と思ってつい言葉を発してしまう。

「レ、スライン殿、は、そ、の、」
「なんだ」

　何を聞こうかと、唇を二度、三度、強く噛む。
　つまらなくないですか、は失礼だろうか。好意を持ってくださっているから散策をしてくれているのに。ここで私と居て、つまらなくはないか、と聞くのは彼女に悪い気がする。

「ど、どう、いう、話題が、お好き、で」

　これもいかがなものだろう、とため息がでる。会話くらい自分で話題を出せないのか、と笑われそうだ。

「……考えたことはなかった」
「さ、左様で」
「……お前が勝手に話せばいいし、その、あー……、黙っている、時間も悪くはない」

　お前となら、と、聞こえた小さな呟きがまた胸を熱くした。


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貴方は時間があるなら『公園のベンチでのんびり休憩しているノニンとエデルガルド』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。
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公園のつもりだ（無理やり