第1章、転生したら古の悪女と出会ったので古の夢女子として救済いたします。
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--「話が逸れてしまったが、体調はどうなんだ?」
真田くんの低く落ち着いた声が、保健室の静かな空間に響いた。
カーテンが夏風に揺れ、消毒液と古い木材の匂いがほのかに漂う中、窓の外から遠く運動場のざわめきが微かに聞こえる。
彼の瞳は、心配そうに私をじっと見つめていた。
「全然平気だよ。ごめんね、心配かけて…」
(名前)は慌てて答えるが、内心ではまだ少し、ぼんやりとしていた。
そうだ、そういえば私、体育の授業中に…
「ドッチボール顔面に直撃して、俺が保健室に運んであげたんだよ。…ん゙っ、ふ、ふふ」
幸村の声にちらりと(名前)が横を確認すると、彼は口元に手をやり笑いを堪えているようであった。
…おいこら。
片眉を軽く上げ、いたずらっ子のような笑みを投げかけてくるその瞳は、からかいつつもどこか優しさが感じられた。
うう、そんな幸村くんも素敵だ…とほほ。
自分の知らぬ間にまた醜態(顔面バリア)を重ねてしまっていた事に、(名前)の顔が思わずぎゅっと渋くなる。
私のこの鈍臭さには、自分でも呆れてしまう。
(名前)が心の中で小さくうめいた。
顔面にボールが直撃した瞬間なんて記憶にないのに、幸村の腕の中で運ばれたことだけはなぜか鮮明に想像できて、顔が熱くなった。
どうしてこう、いつもかっこ悪いところを見せてしまうのか…。
「…あの、幸村くん、ありがとう」
重かったでしょ、と(名前)が申し訳なさそうに呟くと、幸村は軽く首を振って「もっと食べた方がいいんじゃないか?軽すぎてびっくりしたよ」と少し悪戯っぽく答えた。
「お姫様抱っこ、余裕だったよ」
「…幸村、あまりそうからかってやるな」
「ふふ、俺は本当の事を言ってるだけなのになぁ」
そう言って飄々と笑う幸村とは対照的に、真田は少し気まずそうに視線を床に落とし、帽子のつばをそっと指で整えた。
普段は厳格な彼がこんなふうに照れ隠しをするなんて、なんだか新鮮だった。
「…」
彼ら2人のやり取りに、(名前)は再び顔を渋くさせる。
…穴があったら入りたい、本当に。
2人にとんだ迷惑をかけてしまった。
自分を今すぐに叱りつけてやりたい気持ちと、幸村の軽やかな笑い声に救われる気持ちが、彼女の胸の中でぐるぐると混ざり合う。
「…ゴホンッ。兎も角、無事ならば何よりだ。
うちのクラスの者が、すまなかった」
真田が一つ咳払いをした後、(名前)へ自身の頭を丁寧に下げる。
「いやいや…!私がぼーっとしてたからだよ!」
こちらこそ心配おかけしました、と(名前)が真田へ伝えると、彼は「問題ない」と優しく頷いてくれた。
その後、「あと、お返しは俺がしておいたからね」と横からにこりと幸村くんが。
えっ怖い。
どなたか存じ上げませんが、どうかご無事でありますように…南無南無。
(名前)が両手を合わせ、犠牲(?)になった同級生へ祈りを捧げる。
「南無阿弥陀仏…」
「…ああ、そうそう、もう放課後だけど
部活は来れそうかい?」
え、もうそんな時間…!?
幸村の声で、(名前)がハッと我に返る。
「…!?」
慌てて保健室の壁に掛かった古びた時計を見上げると、針はすでに16時を軽く過ぎていた。
嘘、あれから私、2時間くらい寝てたんだ…。
ベッドからゆっくり起き上がり、頭の奥に残るほのかな霧を振り払うように、(名前)は両手で自身の頬を軽く叩いた。
身体を軽く動かし、痛みがないかを確認する。
…よし、頭はちょっとぼんやりするけど、身体は特に痛みもないし、問題なさそうだな。
「うん、大丈夫。行くよ」
「よかった。
今日、マネージャー枠で新しい部員が入るんだ」
幸村がそう言って、少し意味深に微笑む。
彼が「前に話したこと、あっただろ?」と続けた。
「…あ、柳くんのクラスに転入してきたっていう…?」
「そう、その子」
確か、柳くんが推薦してきたんだっけ。
「柳がどうしてもと言うからな。俺たちも根負けしてしまった」
「…真田くんが、根負け」
「…なんだその目は」
真田の言葉に思わず神妙な顔付きになる(名前)を見て、幸村はくすくすと楽しそうに笑った。
「ふふっ、真田、意外と柳には優しいからなぁ。
でもあの柳がどうしても、だなんて珍しいよね。それにこんな時期に…」
はて、と幸村が不思議そうに首を傾げた。
…ううん、確かに。
彼の言う通り、少し不思議ではあった。
新入生はともかくとして、私達と同じ、間もなく卒業を控える3年生が新たに入部してくるとは…。
しかも全国大会が終わったこの時期に、だ。
「まぁ、転入生だし、うちの学校は必ずどこかの部活へ所属しないといけないからね。
…近々合宿もあるから、君の負担が少しでも減るならいいかなって思って、OKを出したんだ」
「そういうことだ。」
真田が短く、だが力強く頷く。
うっ、とても気を使ってもらっている…!
なんだか申し訳ない気持ちだが、正直その申し出はありがたくもあった。
マネージャーとしてまだまだ不甲斐ない自分を反省しつつ、二人に感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとう、助かるよ! 不甲斐なくて申し訳ない…」
「そんなことはないさ。男ばかりで大変だと思うから、サポートを頼むね」
「うん!もちろん!」
「…よし、いい返事だ。
それじゃあ、行こうか」
幸村くんがにこりと微笑んで、私たちは連れ立って保健室を出た。
真田くんの低く落ち着いた声が、保健室の静かな空間に響いた。
カーテンが夏風に揺れ、消毒液と古い木材の匂いがほのかに漂う中、窓の外から遠く運動場のざわめきが微かに聞こえる。
彼の瞳は、心配そうに私をじっと見つめていた。
「全然平気だよ。ごめんね、心配かけて…」
(名前)は慌てて答えるが、内心ではまだ少し、ぼんやりとしていた。
そうだ、そういえば私、体育の授業中に…
「ドッチボール顔面に直撃して、俺が保健室に運んであげたんだよ。…ん゙っ、ふ、ふふ」
幸村の声にちらりと(名前)が横を確認すると、彼は口元に手をやり笑いを堪えているようであった。
…おいこら。
片眉を軽く上げ、いたずらっ子のような笑みを投げかけてくるその瞳は、からかいつつもどこか優しさが感じられた。
うう、そんな幸村くんも素敵だ…とほほ。
自分の知らぬ間にまた醜態(顔面バリア)を重ねてしまっていた事に、(名前)の顔が思わずぎゅっと渋くなる。
私のこの鈍臭さには、自分でも呆れてしまう。
(名前)が心の中で小さくうめいた。
顔面にボールが直撃した瞬間なんて記憶にないのに、幸村の腕の中で運ばれたことだけはなぜか鮮明に想像できて、顔が熱くなった。
どうしてこう、いつもかっこ悪いところを見せてしまうのか…。
「…あの、幸村くん、ありがとう」
重かったでしょ、と(名前)が申し訳なさそうに呟くと、幸村は軽く首を振って「もっと食べた方がいいんじゃないか?軽すぎてびっくりしたよ」と少し悪戯っぽく答えた。
「お姫様抱っこ、余裕だったよ」
「…幸村、あまりそうからかってやるな」
「ふふ、俺は本当の事を言ってるだけなのになぁ」
そう言って飄々と笑う幸村とは対照的に、真田は少し気まずそうに視線を床に落とし、帽子のつばをそっと指で整えた。
普段は厳格な彼がこんなふうに照れ隠しをするなんて、なんだか新鮮だった。
「…」
彼ら2人のやり取りに、(名前)は再び顔を渋くさせる。
…穴があったら入りたい、本当に。
2人にとんだ迷惑をかけてしまった。
自分を今すぐに叱りつけてやりたい気持ちと、幸村の軽やかな笑い声に救われる気持ちが、彼女の胸の中でぐるぐると混ざり合う。
「…ゴホンッ。兎も角、無事ならば何よりだ。
うちのクラスの者が、すまなかった」
真田が一つ咳払いをした後、(名前)へ自身の頭を丁寧に下げる。
「いやいや…!私がぼーっとしてたからだよ!」
こちらこそ心配おかけしました、と(名前)が真田へ伝えると、彼は「問題ない」と優しく頷いてくれた。
その後、「あと、お返しは俺がしておいたからね」と横からにこりと幸村くんが。
えっ怖い。
どなたか存じ上げませんが、どうかご無事でありますように…南無南無。
(名前)が両手を合わせ、犠牲(?)になった同級生へ祈りを捧げる。
「南無阿弥陀仏…」
「…ああ、そうそう、もう放課後だけど
部活は来れそうかい?」
え、もうそんな時間…!?
幸村の声で、(名前)がハッと我に返る。
「…!?」
慌てて保健室の壁に掛かった古びた時計を見上げると、針はすでに16時を軽く過ぎていた。
嘘、あれから私、2時間くらい寝てたんだ…。
ベッドからゆっくり起き上がり、頭の奥に残るほのかな霧を振り払うように、(名前)は両手で自身の頬を軽く叩いた。
身体を軽く動かし、痛みがないかを確認する。
…よし、頭はちょっとぼんやりするけど、身体は特に痛みもないし、問題なさそうだな。
「うん、大丈夫。行くよ」
「よかった。
今日、マネージャー枠で新しい部員が入るんだ」
幸村がそう言って、少し意味深に微笑む。
彼が「前に話したこと、あっただろ?」と続けた。
「…あ、柳くんのクラスに転入してきたっていう…?」
「そう、その子」
確か、柳くんが推薦してきたんだっけ。
「柳がどうしてもと言うからな。俺たちも根負けしてしまった」
「…真田くんが、根負け」
「…なんだその目は」
真田の言葉に思わず神妙な顔付きになる(名前)を見て、幸村はくすくすと楽しそうに笑った。
「ふふっ、真田、意外と柳には優しいからなぁ。
でもあの柳がどうしても、だなんて珍しいよね。それにこんな時期に…」
はて、と幸村が不思議そうに首を傾げた。
…ううん、確かに。
彼の言う通り、少し不思議ではあった。
新入生はともかくとして、私達と同じ、間もなく卒業を控える3年生が新たに入部してくるとは…。
しかも全国大会が終わったこの時期に、だ。
「まぁ、転入生だし、うちの学校は必ずどこかの部活へ所属しないといけないからね。
…近々合宿もあるから、君の負担が少しでも減るならいいかなって思って、OKを出したんだ」
「そういうことだ。」
真田が短く、だが力強く頷く。
うっ、とても気を使ってもらっている…!
なんだか申し訳ない気持ちだが、正直その申し出はありがたくもあった。
マネージャーとしてまだまだ不甲斐ない自分を反省しつつ、二人に感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとう、助かるよ! 不甲斐なくて申し訳ない…」
「そんなことはないさ。男ばかりで大変だと思うから、サポートを頼むね」
「うん!もちろん!」
「…よし、いい返事だ。
それじゃあ、行こうか」
幸村くんがにこりと微笑んで、私たちは連れ立って保健室を出た。