Garnet
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船に戻ると、なまえはすぐに自分の部屋へと戻ってしまったきり外に出てくることはなかった。
“誰の女に手を出してんだ”
キッドの言葉が頭から離れずにいた。
この船に乗って1ヶ月。
ずっと、キッドは怖いと思っていた。
けれど、あの時抱き締めてくれた腕はすごく暖かくて、優しかった。
助けに来てくれた時のキッドの目に確かに映っていたのは、怒りだった。
今思えば、はっきりわかる。
彼は自分を大切にしてくれていたのだと。
勝手に怖いと決めつけて、彼に近付こうとしなかった。
助けてくれたことに、きちんとお礼を言わなければならない。
そう思って部屋を出たと同時に、ドアの前でばったりとキッドに出くわした。
「なまえ。・・・ちょっと来い」
手首を掴まれて、甲板へと連れてこられた。
星が綺麗に輝く紺色の空。
静かな波の音だけが、水平線に響く。
「・・・なまえ」
柔らかい声で名前を呼ばれるが、なまえを見つめるキッドの目は、至って真剣だった。
「俺は無理矢理お前を船に乗せた。だからお前が怖がるのは当然だと思ってる。
だが・・・嫌われようが、怖がられようが、俺はお前を守る。あんな思いは二度とさせねェ」
そして、差し出したのは白い小さな箱。
「私に・・・?」
片手で箱を差し出すキッドの顔が少し赤く見えるのは、気のせいだろうか。
「開けてもいい?」
なまえの問い掛けに、キッドはそっぽを向いたまま頷いた。
ドキドキしながら、ゆっくりと箱を開けると、
中には、赤い宝石がはめ込まれた指輪が入っていた。
「これ・・・」
驚いてキッドを見ると、彼の顔は真っ赤だった。
自分が買い物をしている時に、これを買いに行っていたというのか。
「キッド・・・」
なまえが指輪の入った箱をキッドに返すと、途端にキッドの表情が曇る。
「・・・気に入らなかったか」
どこか不安そうに聞く彼は、本当に世間から億超えと恐れられる海賊なのだろうかと思ってしまう。
なまえは横に振ると、彼の前に両手を差し出す。
「キッドがはめて」
そう言うと、彼は一瞬驚いたような表情をしながらも、箱から指輪を外した。
「なまえ」
優しい声で名前を呼ばれる。
「好きだ」
彼はなまえの左手を取ると、薬指に指輪をはめた。
驚く暇もなく、腕を強く引かれて抱き締められる。
“お前が好きだ”
その言葉に、涙が溢れた。
最初は、キッドが怖くて仕方なかった。
でも、彼はいつでも、自分を大切にしてくれていた。
今は、素直にそう思える。
きっと、すべては運命だったのだろう。
出会ったきっかけは、決して良いものではなかったけれど、
その先に、彼は幸せを見出だしてくれた。
一目惚れだった。
その姿を一目見た時から、目に焼き付いて離れなかった。
どうしても、側にいたかった。
半ば連れ去るように無理やり船に乗せはしたものの、キッドは絶対に彼女を傷付けるようなことはしなかった。
「私を船に乗せてくれてありがとう。私はあなたと・・・広い世界を見てみたい」
“私も、あなたが好き”
涙声で告げる彼女の肩に手を添えて、そっと身体を離した。
あの時不安に襲われていた彼女を、自分の手で大切にしたいと純粋にそう思ったのだ。
キッドはなまえのその白い頬に手を添えて、そっと顔を近付ける。
なまえは驚きつつも、静かに目を閉じる。
ふたりの想いが重なる時、
美しい紅が、星の光に反射してきらめいた。
長い旅路は、ここからはじまる。
指輪にはめ込まれた赤い宝石は、ガーネット。
その宝石が意味するものは、
“深い愛情”
“誰の女に手を出してんだ”
キッドの言葉が頭から離れずにいた。
この船に乗って1ヶ月。
ずっと、キッドは怖いと思っていた。
けれど、あの時抱き締めてくれた腕はすごく暖かくて、優しかった。
助けに来てくれた時のキッドの目に確かに映っていたのは、怒りだった。
今思えば、はっきりわかる。
彼は自分を大切にしてくれていたのだと。
勝手に怖いと決めつけて、彼に近付こうとしなかった。
助けてくれたことに、きちんとお礼を言わなければならない。
そう思って部屋を出たと同時に、ドアの前でばったりとキッドに出くわした。
「なまえ。・・・ちょっと来い」
手首を掴まれて、甲板へと連れてこられた。
星が綺麗に輝く紺色の空。
静かな波の音だけが、水平線に響く。
「・・・なまえ」
柔らかい声で名前を呼ばれるが、なまえを見つめるキッドの目は、至って真剣だった。
「俺は無理矢理お前を船に乗せた。だからお前が怖がるのは当然だと思ってる。
だが・・・嫌われようが、怖がられようが、俺はお前を守る。あんな思いは二度とさせねェ」
そして、差し出したのは白い小さな箱。
「私に・・・?」
片手で箱を差し出すキッドの顔が少し赤く見えるのは、気のせいだろうか。
「開けてもいい?」
なまえの問い掛けに、キッドはそっぽを向いたまま頷いた。
ドキドキしながら、ゆっくりと箱を開けると、
中には、赤い宝石がはめ込まれた指輪が入っていた。
「これ・・・」
驚いてキッドを見ると、彼の顔は真っ赤だった。
自分が買い物をしている時に、これを買いに行っていたというのか。
「キッド・・・」
なまえが指輪の入った箱をキッドに返すと、途端にキッドの表情が曇る。
「・・・気に入らなかったか」
どこか不安そうに聞く彼は、本当に世間から億超えと恐れられる海賊なのだろうかと思ってしまう。
なまえは横に振ると、彼の前に両手を差し出す。
「キッドがはめて」
そう言うと、彼は一瞬驚いたような表情をしながらも、箱から指輪を外した。
「なまえ」
優しい声で名前を呼ばれる。
「好きだ」
彼はなまえの左手を取ると、薬指に指輪をはめた。
驚く暇もなく、腕を強く引かれて抱き締められる。
“お前が好きだ”
その言葉に、涙が溢れた。
最初は、キッドが怖くて仕方なかった。
でも、彼はいつでも、自分を大切にしてくれていた。
今は、素直にそう思える。
きっと、すべては運命だったのだろう。
出会ったきっかけは、決して良いものではなかったけれど、
その先に、彼は幸せを見出だしてくれた。
一目惚れだった。
その姿を一目見た時から、目に焼き付いて離れなかった。
どうしても、側にいたかった。
半ば連れ去るように無理やり船に乗せはしたものの、キッドは絶対に彼女を傷付けるようなことはしなかった。
「私を船に乗せてくれてありがとう。私はあなたと・・・広い世界を見てみたい」
“私も、あなたが好き”
涙声で告げる彼女の肩に手を添えて、そっと身体を離した。
あの時不安に襲われていた彼女を、自分の手で大切にしたいと純粋にそう思ったのだ。
キッドはなまえのその白い頬に手を添えて、そっと顔を近付ける。
なまえは驚きつつも、静かに目を閉じる。
ふたりの想いが重なる時、
美しい紅が、星の光に反射してきらめいた。
長い旅路は、ここからはじまる。
指輪にはめ込まれた赤い宝石は、ガーネット。
その宝石が意味するものは、
“深い愛情”
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