Garnet
Your Name?
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目の前に果てしなく広がる、どこまでも青い海。
その美しい光景とは裏腹に、心はどこか重い。
私が海に出て、も1ヶ月が過ぎようとしていた。
誰が予測しただろうか。
自分が、海賊になるなんて。
一番驚いているのは自分自身だ。
いまだに信じられない。
1ヶ月前、なまえが住んでいた島に、略奪目的の海賊が上陸した。
海賊たちは破壊の限りを尽くし、暴れまわった。
そんな大暴れした海賊を倒したのが、ユースタス“キャプテン”キッド率いる、キッド海賊団だった。
海賊はいなくなって一安心したが、本当の問題はここからだった。
家族もおらず、1人で暮らしていたなまえにとって、それは本当に予想外の出来事で。
お金もない、帰る場所も、帰る家もない。
明日からどうやって生きていこうと、不安に襲われていた時だった。
“俺の船に乗れ”
そう、彼に言われたのは。
いくら帰る場所がないとはいえ、もちろん、そんな申し出を受ける訳がない。
ただでさえ海賊は恐ろしい印象しかないというのに、まさか、あの泣く子も黙るキッド海賊団の船に来いだなんて。
親不孝だとかそんな問題以前に、恐ろしすぎて命がいくつあっても足りない。
なまえがキッドを怒らせないように、最大限の気を遣ってやんわり断ると、彼は口角を上げて怪しく笑った。
「じゃあ、奪うしかねぇな」
一言そう言って、私を軽々と担いだのだ。
抵抗したが、女の力では敵うはずはない。
彼が船に着くと同時に、そのまますぐに島を出航してしまった。
誘拐同然で連れてこられたのだ、何をされるかわからない。
最初は怖くて、船の端でずっとびくびくしながら過ごしていた。
予想外にも、すぐにキッドはなまえの部屋を用意した。
1ヶ月も過ぎれば、諦めから少しはこの生活に慣れたが、やはり恐怖感は完全にはなくならない。
誰とも話さず、部屋に引きこもっていることが多かった。
部屋から出るのは、食事とかお風呂とか、必要最低限の時だけだ。
そんな日が続いていた、ある日の事。
「なまえ」
キッドがドンドンと部屋のドアを叩いた。
本当は出たくないが、逆らったら後が怖い。
恐る恐る部屋のドアを開けると、島に着いた、と一言ぶっきらぼうに告げる。
どうやら、上陸を知らせに来たようだ。
「これだけあれば足りるのか?」
そう言ってキッドは、札束をなまえに渡した。
一体、何の為に?
「あ、あの・・・お気遣いいただかなくても・・・大丈夫です」
「あぁ?」
言葉を選んで断ったなまえに、キッドは不機嫌な声を上げた。
これ以上は怖くて、何も言えない。
「いいから行くぞ。さすがに俺が女物を買うわけにはいかねぇだろうが」
女物?
・・・私の?
「荷物、何も持って来てねぇだろ。 だからこの島で必要な物を全部揃えろ」
確かに、いきなり彼に連れてこられたなまえは、何一つ荷物を持ってきていない。
「いいんですか・・?」
「好きなだけ買え」
「ありがとうございます・・・船長」
「船長なんて呼ばなくていい、キッドって呼べ。敬語もやめろ。普通に話せ」
「あ、はい・・・」
「とりあえず早く行くぞ。支度出来てるのか」
・・・え?
「あ、あの、一緒に・・?」
「あ?だから待ってんだろ、早くしろ」
彼と一緒に買い物?
いやいや、ちょっと待て。
どう考えても無理だ。
「あの、私ひとりで大丈夫です」
「あん?」
なまえの答えが気に入らないのか、彼の鋭い目で射ぬかれるともうそれ以上何も言えず、なまえは仕方なく彼と大人しく島へ買い物に出掛けることにした。
その美しい光景とは裏腹に、心はどこか重い。
私が海に出て、も1ヶ月が過ぎようとしていた。
誰が予測しただろうか。
自分が、海賊になるなんて。
一番驚いているのは自分自身だ。
いまだに信じられない。
1ヶ月前、なまえが住んでいた島に、略奪目的の海賊が上陸した。
海賊たちは破壊の限りを尽くし、暴れまわった。
そんな大暴れした海賊を倒したのが、ユースタス“キャプテン”キッド率いる、キッド海賊団だった。
海賊はいなくなって一安心したが、本当の問題はここからだった。
家族もおらず、1人で暮らしていたなまえにとって、それは本当に予想外の出来事で。
お金もない、帰る場所も、帰る家もない。
明日からどうやって生きていこうと、不安に襲われていた時だった。
“俺の船に乗れ”
そう、彼に言われたのは。
いくら帰る場所がないとはいえ、もちろん、そんな申し出を受ける訳がない。
ただでさえ海賊は恐ろしい印象しかないというのに、まさか、あの泣く子も黙るキッド海賊団の船に来いだなんて。
親不孝だとかそんな問題以前に、恐ろしすぎて命がいくつあっても足りない。
なまえがキッドを怒らせないように、最大限の気を遣ってやんわり断ると、彼は口角を上げて怪しく笑った。
「じゃあ、奪うしかねぇな」
一言そう言って、私を軽々と担いだのだ。
抵抗したが、女の力では敵うはずはない。
彼が船に着くと同時に、そのまますぐに島を出航してしまった。
誘拐同然で連れてこられたのだ、何をされるかわからない。
最初は怖くて、船の端でずっとびくびくしながら過ごしていた。
予想外にも、すぐにキッドはなまえの部屋を用意した。
1ヶ月も過ぎれば、諦めから少しはこの生活に慣れたが、やはり恐怖感は完全にはなくならない。
誰とも話さず、部屋に引きこもっていることが多かった。
部屋から出るのは、食事とかお風呂とか、必要最低限の時だけだ。
そんな日が続いていた、ある日の事。
「なまえ」
キッドがドンドンと部屋のドアを叩いた。
本当は出たくないが、逆らったら後が怖い。
恐る恐る部屋のドアを開けると、島に着いた、と一言ぶっきらぼうに告げる。
どうやら、上陸を知らせに来たようだ。
「これだけあれば足りるのか?」
そう言ってキッドは、札束をなまえに渡した。
一体、何の為に?
「あ、あの・・・お気遣いいただかなくても・・・大丈夫です」
「あぁ?」
言葉を選んで断ったなまえに、キッドは不機嫌な声を上げた。
これ以上は怖くて、何も言えない。
「いいから行くぞ。さすがに俺が女物を買うわけにはいかねぇだろうが」
女物?
・・・私の?
「荷物、何も持って来てねぇだろ。 だからこの島で必要な物を全部揃えろ」
確かに、いきなり彼に連れてこられたなまえは、何一つ荷物を持ってきていない。
「いいんですか・・?」
「好きなだけ買え」
「ありがとうございます・・・船長」
「船長なんて呼ばなくていい、キッドって呼べ。敬語もやめろ。普通に話せ」
「あ、はい・・・」
「とりあえず早く行くぞ。支度出来てるのか」
・・・え?
「あ、あの、一緒に・・?」
「あ?だから待ってんだろ、早くしろ」
彼と一緒に買い物?
いやいや、ちょっと待て。
どう考えても無理だ。
「あの、私ひとりで大丈夫です」
「あん?」
なまえの答えが気に入らないのか、彼の鋭い目で射ぬかれるともうそれ以上何も言えず、なまえは仕方なく彼と大人しく島へ買い物に出掛けることにした。
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