ミモザの花が咲く頃に
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まだ空は青みががって薄暗く、世界は静かだった。
眠っていたなまえは、スマホロトムの着信を知らせるコール音で目を覚ました。
昨晩早めにベッドに入ったのだが気持ちが落ち着かず、なかなか寝付くことが出来ずにいた。
ようやく睡魔がやってきて、眠りへ落ちたばかりだというのに。
目に入ってきた時計は、まだ5時前を示していた。
こんな朝早くから、誰が連絡をしてくるのだろうか。
まだぼんやりとした意識のまま、はい、と電話に出る。
「なまえ!!今どこにいるんだい!?」
一発で眠気が吹き飛ぶほどの焦った声で電話をかけてきたのは、 元シッポウシティのジムリーダー・・・アロエだった。
『アロエさん・・・?こんな朝早くからどうしたんです・・・?』
「どうしたもこうしたも、テレビで速報が流れて大騒ぎだよ、イリヤ博士とレリアちゃんが行方不明だって!!」
『え・・・?』
とにかくテレビを見てみなさい、とアロエに言われてテレビをつけると、見出しに大きく“速報”と映し出されたニュースがやっていた。
“臨時ニュースです。
世界的に有名なポケモン研究家のイリヤ博士と、考古学者のレリア博士が行方不明との情報が入りました。
詳しい詳細はわからず、現在調査中とのことです”
なまえは思わず目を見開いた。
―行方不明?
誰が?
“速報です。繰り返しお伝えします。
世界的に有名なポケモン研究家のイリヤ博士と、考古学者のレリア博士が行方不明との情報が入りました。
詳しい詳細はわからず、現在調査中とのことです”
どうして。
なぜこんなニュースが流れているのか?
誰が、どこからこの情報を流したのか?
一体、何が起こっているというのか?
「とにかく、なまえは無事なの!?」
焦るアロエに自分の無事を伝えると、良かった、と安堵の声をあげた。
『でも、お父さまとお母さまは・・・』
突然連絡が取れなくなり、ワタルに連絡をしたこと、
ワタルがGメンと国際警察に調査を依頼したこと、
行方不明なのかどうかはまだわからないこと、
自分は単身、カロスに向かおうとしていること。
すべてを黙って聞いていたアロエは、一呼吸おいてから言葉を返した。
「なまえ、私が迎えに行くからイッシュに来なさい。これだけ派手にニュースになったら、何が起こるかわからないからね」
なまえがいくら表向きには姿を見せていないといっても、どこから情報が漏れるかわからない。
現にこの速報も、誰がどこからどのような情報を流したのか、わからないのだ。
何が起こっているのかわからない中で、今はただアロエの言葉が、素直に心強かった。