イリヤとレリアが旅立ってから、早くも７日が過ぎようとしていた。

今日は、ガラルにてエキシビジョンマッチ、カロスではバトルシャトレーヌとのバトル大会が行われる日だ。
どちらもテレビで生中継で放映される。

なまえはいつもより少し早めに食べた昼食のトマトパスタを食べ終えて、食後のコーヒーに口をつけたその時、スマホロトムから着信を知らせるコール音が鳴り響いた。
画面には、ガラル地方に住む親友・・・
ソニアの名が表示されていた。

「もしもし、なまえ？」

彼女とは幼い頃から親交があった。
お互いに家族が研究者という共通点から、仲良くなるのに時間はかからなかった。
久しく連絡を取っていなかったため、声が聞けたことを素直に嬉しく思ったが、どうも周りが騒がしい。
世間話をするために電話をかけてきたわけではないようだ。

『久しぶりね、ソニア！どうしたの？』

「ごめんね急に。今ね、シュートスタジアムにいるんだけど、イリヤ博士が来てないのよ。あと１０分で開会式が始まるんだけど・・・」

『え？お父さまが？』

大会主催者のローズは、今回のエキシビジョンマッチにマグノリア博士とソニア、そしてイリヤを招待していた。
しかし、開会式直前になってもイリヤの姿がない。
会場では関係者たちがざわついていたのだ。

何回電話をかけても繋がらないようで、何か知らない？と問われたが、なまえのところに連絡は特に入っていない。

考えられるのは、船が遅れている可能性だけだ。
アローラから向かっていること、もしかしたら船が遅れているのかもしれない、と伝えると納得したのか、ローズさんに伝えておくわね、と言ってソニアは電話を切った。