ミモザの花が咲く頃に
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心地よい波音と、ポケモンと人々の楽しそうな声が絶えることなく所々から聞こえるにぎやかなハウオリシティに、滅多に鳴ることのない防災無線のサイレンが鳴った。
《こちらはハウオリ役所です。緊急事態発生ににつき、ポートエリアを封鎖いたします。付近にいる方は警察の指示に従い、安全な場所へと移動してください。繰り返します。緊急事態発生につき、ポートエリアを封鎖いたします。直ちに安全な場所へと移動してください》
楽しい雰囲気に似合わない、危険を知らせる独特の特徴的な音が、人々の不安を募らせてゆく。
交番から走って来たのであろう警官が、大声で船を待つ客の避難を促しはじめ、あっという間に規制がかかり、港は立ち入り禁止となった。
遠くには野次馬たちが集まり、何の騒ぎかとスマホロトムを構え、生配信まではじめる者もいた。
騒ぎに気付いて家から様子を見に来たイリマも、現場のただならぬ雰囲気に、予想以上に大事になっていることを瞬時に把握した。
近くにいた警官に何かあったんですか、と落ち着いた様子で訊ねると、ハウオリシティでは顔が広い彼ならばと安心したのだろう、爆破予告らしいですよ、とこっそり小さい声で教えた。
「爆破予告・・・」
聞き慣れない物騒なワードに、端麗なイリマの顔が少しだけ険しくなった。
“アローラ。こちらはハウオリシティ警察です”
“忙しいところすみません。ジョウト四天王のイツキと申します。
実は先ほど、“ハウオリシティの乗船所を爆破する”という電話があったんです。
今、こちらのチャンピオンのワタルも国際警察に連絡しています。
セキエイ高原の騒ぎの後なので、どうもいたずらとも思えず・・・すぐに確認していただけますか”
“何だって!?イツキ殿、ご連絡感謝いたします。すぐに港を封鎖します!”
もちろん爆破予告などまったくのでたらめだが、短時間で警察を集められる手段はこれしかなかった。
これで心配事はひとつ消えたかな、と電話を切ったイツキが呟いた。
確かに手荒といえば手荒だが、さすがに警察が大勢いる中で、船から降りてくるなまえに堂々と危害を加えることは出来ないだろう。
その機転の早さに、カリンもさすがだわ、と声をかけずにはいられなかった。
「これで安心は出来ない。なまえさんに連絡がつかないことには、何も解決しない」
あくまでも、想定できる最悪の事態を防いだだけ。なまえとは未だに連絡が取れていないのだ。
彼女に連絡をしたワタルが偽物であることも伝えられていない。
そうね、と返事を返したカリンのスマホロトムには、【送信失敗】の文字が繰り返し表示されていた。
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