ミモザの花が咲く頃に
Your Name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《ご乗船のお客様へご案内いたします。この船はハウオリシティへの到着予定でしたが、都合により、急遽アーカラ島のカンタイシティに到着となります。
ご乗船のお客様の一時滞在場所として、ホテルしおさいを解放予定です。
ご希望のお客様は港からの直通のバスへお乗りください》
水平線に浮かぶ夕日を見ながらゆっくりとお茶を飲んでいたなまえとバクフーン、ライチュウの耳に聞こえてきたのは、到着場所変更の案内だった。
『あら・・・』
ククイ博士の研究所は、ハウオリシティのはずれだ。
到着次第、すぐに研究所に向かおうと思っていたが、アーカラ島に着く頃には日が暮れてしまうだろう。
今日はおとなしく一泊するしかなさそうだ。
事情を何も知らないなまえがアーカラ島へと向かっている頃、PWTのバトルコートでは、観客が今か今かと開幕を待っていた。
司会とゲストのプラターヌが席に座り、開始宣言を告げる。
いよいよかと期待を膨らませた観客の耳に届いたのは、思いもよらぬ案内だった。
《ここで、選手変更のお知らせをいたします。
第一試合は、ミクリ選手とワタル選手によるバトルの予定でしたが、都合によりワタル選手の代わりに、ジョウト四天王、キョウ選手の出場となりました》
予想外のアナウンスに、観客席からはどよめきが起こった。
各地方のチャンピオンが集まる大会もそうそうない。チャンピオン同士の戦いを見たい観客も大勢いるのは当然のことだ。
入場してきたミクリとキョウを出迎えたのは、拍手とどよめきと不満の声だった。
あまり良い雰囲気とは言えない状況の中、口を開いたのはキョウだった。
「お騒がせして申し訳ない。しかし、拙者のポケモンの変幻自在の技は、我らが大将ワタルにも負けぬ。さぁミクリ殿、輝かしい幕開けと参ろうではないか!」
そんな中でも、キョウは長年のトレーナーとして戦ってきた経験からか、さすがの貫禄を見せていた。
それに感化されるかのように、ミクリも笑みを浮かべた。
「相手が誰であれ、どんな状況であれ、常に美しく輝けるのが本物のアーティスト。
皆さまにお見せしよう、水のイリュージョンを!」
ふたりの言葉は、会場の空気を明らかに一変させた。
どよめいていた観客席から少しずつ拍手が起こり、次第に大きな拍手と、大歓声へと変わった。
「それでは両者、同時にポケモンを出してください。3.2.1・・・」
少し時を遡り、開戦前のジョウト四天王控え室では、なんとかなまえの安全を確保しようと知恵を振り絞るイツキ、シバ、カリンの姿があった。
「アサギからの船の出港者記録を調べてもらったけれど、なまえの名前はなかったわ」
「こっちもこれと言った手がかりはないな」
なかなか解決の糸口が見えて来ないことに明らかに焦りを覚え始めたシバとカリンの姿を見て、イツキがこうなったら、と呟いた。
「仕方ない、ちょっと手荒になるけど・・・今はそんなこと言ってる場合じゃないね」
そう言って、イツキはどこかへ電話をかけ始めた。