ミモザの花が咲く頃に
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心のどこかで、何かの間違いだと思っていた。
そう思いたかったのだろう。
自身が師と仰いだ存在が、行方不明になったなんて。
穏やかで優しい人間性とともに、知性と探究心に溢れ、純粋に歴史を学び、追い続けた尊敬すべき人であった。
Gメン、国際警察が事件の可能性が高いと断定し、調査に入っていると娘であるなまえから聞いた以上、これは間違いなく本当に行方不明となってしまったのだと認めざるを得ない。
ニュースや新聞で毎日のように騒がれていたこの件をどこか受け入れられていなかったシロナが、初めて現実に直面した瞬間だった。
『シロナさん、何かご存知ありませんか。母が何か言っていたりとか・・・ありませんか?』
なまえも、有力な情報がない中で、自分の力で何とか見つけ出そうと必死で、手がかりを探すために自分の足でさまざまな場所を回っているのだろう。
「先生とは近頃連絡を取っていなかったの。お忙しいと伺っていたし、私もお元気にしているのか気になっていて・・・まさか、こんなことになるなんて・・・」
そうですか、と肩を落とすなまえの姿を見ると、口には出さずとも、かなり難航しているのであろうことは予測が出来た。
「先生と会ったのは、ちょうど3ヶ月ほど前だったかしら・・・イリヤ博士と一緒にカンナギタウンにいらしたの。すべてを創造したと言われる伝説のポケモン・・・アルセウスの調査だったわ」
レリアは古代文字で書かれた、さまざまな地方で集めた神話の解読、イリヤは、アルセウスのタイプ変化の調査だった。
アルセウスは、プレートというものでタイプが変わる。
なぜ変化するのか、なぜアルセウスだけなのか、プレートそのものの力は何なのか。それを研究課題としていたらしい。
特に変わったことはなく、いつもの調査だった、という印象しかシロナにはなかったが、ふと今の今まで忘れていた違和感を思い出した。
「そういえば・・・先生、記録をつけていなかったのよ。いつもカメラで写真を撮って、それをパソコンに打ち込んでいたのだけれど・・・あのときは全部手書きだったの。イリヤ博士も。パソコンが壊れたのだと思っていたのだけれど・・・」
当時はそこまで気にしてはいなかったが、二人が熱心にノートに手書きしていたことを思い出す。
祠も遺跡も観光目的で来る人も多く、写真が禁止されているわけではなかった。
なまえにとっても、確かにめずらしい話ではあった。
イリヤもレリアも必ずパソコンは持ち歩いていたし、数台所持していたはず。
いつも大荷物なのは見慣れた光景だった。
私も出来る限り協力するわ、と申し出てくれたシロナとスマホロトムの番号を交換し、帰りの船へと乗り込んだ。
ワタルの元へと向かうことを決めた次の行き先は、ジョウト地方だ。
「なまえちゃん、くれぐれも気をつけて。絶対に無理だけはしないでね。私も連絡するわ」
ワタルの一件もあり、不安が拭えない中で、気にかけてくれる存在が一人でも多くいるということ。
それが今のなまえにとっては心の支えだった。
そう思いたかったのだろう。
自身が師と仰いだ存在が、行方不明になったなんて。
穏やかで優しい人間性とともに、知性と探究心に溢れ、純粋に歴史を学び、追い続けた尊敬すべき人であった。
Gメン、国際警察が事件の可能性が高いと断定し、調査に入っていると娘であるなまえから聞いた以上、これは間違いなく本当に行方不明となってしまったのだと認めざるを得ない。
ニュースや新聞で毎日のように騒がれていたこの件をどこか受け入れられていなかったシロナが、初めて現実に直面した瞬間だった。
『シロナさん、何かご存知ありませんか。母が何か言っていたりとか・・・ありませんか?』
なまえも、有力な情報がない中で、自分の力で何とか見つけ出そうと必死で、手がかりを探すために自分の足でさまざまな場所を回っているのだろう。
「先生とは近頃連絡を取っていなかったの。お忙しいと伺っていたし、私もお元気にしているのか気になっていて・・・まさか、こんなことになるなんて・・・」
そうですか、と肩を落とすなまえの姿を見ると、口には出さずとも、かなり難航しているのであろうことは予測が出来た。
「先生と会ったのは、ちょうど3ヶ月ほど前だったかしら・・・イリヤ博士と一緒にカンナギタウンにいらしたの。すべてを創造したと言われる伝説のポケモン・・・アルセウスの調査だったわ」
レリアは古代文字で書かれた、さまざまな地方で集めた神話の解読、イリヤは、アルセウスのタイプ変化の調査だった。
アルセウスは、プレートというものでタイプが変わる。
なぜ変化するのか、なぜアルセウスだけなのか、プレートそのものの力は何なのか。それを研究課題としていたらしい。
特に変わったことはなく、いつもの調査だった、という印象しかシロナにはなかったが、ふと今の今まで忘れていた違和感を思い出した。
「そういえば・・・先生、記録をつけていなかったのよ。いつもカメラで写真を撮って、それをパソコンに打ち込んでいたのだけれど・・・あのときは全部手書きだったの。イリヤ博士も。パソコンが壊れたのだと思っていたのだけれど・・・」
当時はそこまで気にしてはいなかったが、二人が熱心にノートに手書きしていたことを思い出す。
祠も遺跡も観光目的で来る人も多く、写真が禁止されているわけではなかった。
なまえにとっても、確かにめずらしい話ではあった。
イリヤもレリアも必ずパソコンは持ち歩いていたし、数台所持していたはず。
いつも大荷物なのは見慣れた光景だった。
私も出来る限り協力するわ、と申し出てくれたシロナとスマホロトムの番号を交換し、帰りの船へと乗り込んだ。
ワタルの元へと向かうことを決めた次の行き先は、ジョウト地方だ。
「なまえちゃん、くれぐれも気をつけて。絶対に無理だけはしないでね。私も連絡するわ」
ワタルの一件もあり、不安が拭えない中で、気にかけてくれる存在が一人でも多くいるということ。
それが今のなまえにとっては心の支えだった。