ミモザの花が咲く頃に
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“まもなくミオシティに到着いたします。お忘れ物のないようご用意ください”
なまえは、バウタウンから朝一で出航する、シンオウへ向かう船の中にいた。
新聞の朝刊でも、ラジオでもテレビでも、昨日のセキエイ高原の事故の話題で持ち切りだった。
どうやらワタルをはじめ四天王は全員軽傷で、警察はポケモンによるものだと断定したらしい。
ひとまずは安心したが、ワイルドエリアの謎の人物が一体誰だったのかはわからないままだ。
なまえのことを呼び名で呼び、彼もイリヤとレリアを探していると言っていたが、二人の知り合いなのだろうか。
しかし、あの独特の威圧感。普段はおだやかなバクフーンの威嚇の激しさ。
只者ではないことだけはわかった。
船を降りると、静かな港町が穏やかに出迎えてくれた。
目的の図書館に入り、歴史の本のコーナーを探していると、“ブラックナイトの伝説”と書かれた本を見つけた。
禍々しい絵が描かれた表紙をめくる。
黒い渦が発生し、巨大化したポケモンが暴れ、ガラルを滅ぼしかけたこと。
それらは「英雄」によって鎮められたこと。
意外にも資料らしきものは見当たらず、それしか情報を得ることは出来なかった。
ミオ図書館は屈指の量の書物が保管されている場所であるにも関わらず、これだけしか見当たらないとなると、ソニアが苦戦するのも納得がいった。
「あら?もしかして・・・なまえちゃん?」
声をかけられて振り向くと、黒いコートに長い金髪、すらりとした長身の美女。
シンオウチャンピオンのシロナが立っていた。
最後に会ったのはいつだったか、久しぶりに会えたことに喜びつつ、どうしたの?と聞かれて事情を説明する。
シロナは考古学者としても名高く、母レリアとも親交が深い。
レリアが講師として行っていた勉強会にも、よく顔を出していた。
場所を変えましょうか、と申し出たシロナは図書館を出て、港の近くのおしゃれなカフェに案内すると、なまえにはお茶とケーキを、ポケモンたちにはおやつをご馳走してくれた。
鍛えられたガブリアスを筆頭に、さすがはチャンピオンのポケモンと言うべきであろう強さと貫禄を兼ね備えたシロナのポケモンたちと、バクフーンとライチュウもすぐ打ち解けたようで、仲良くおやつを食べている。
「ガラルのブラックナイトは謎が多いのよ。ガラル地方にしか存在しないダイマックスが関連しているのは間違いないのだけれど・・それが暴走した結果ではないか、とかいろいろ憶測はあるけれど、本当かどうかはわからないわ」
ここまで専門的に詳しいシロナですら謎が深いとなると、長期戦になりそうだと改めて覚悟をすることとなった。
それと、とシロナは言いにくそうに切り出した。
「ニュースで知ったわ、先生とイリヤ博士のこと・・・行方不明というのは本当のことなの?」
『・・・はい、確かです』
信じたくないと心のどこかでは思っていたのだろう、なまえの返事に明らかに暗くなったシロナの表情に、心が痛んだ。
なまえは、バウタウンから朝一で出航する、シンオウへ向かう船の中にいた。
新聞の朝刊でも、ラジオでもテレビでも、昨日のセキエイ高原の事故の話題で持ち切りだった。
どうやらワタルをはじめ四天王は全員軽傷で、警察はポケモンによるものだと断定したらしい。
ひとまずは安心したが、ワイルドエリアの謎の人物が一体誰だったのかはわからないままだ。
なまえのことを呼び名で呼び、彼もイリヤとレリアを探していると言っていたが、二人の知り合いなのだろうか。
しかし、あの独特の威圧感。普段はおだやかなバクフーンの威嚇の激しさ。
只者ではないことだけはわかった。
船を降りると、静かな港町が穏やかに出迎えてくれた。
目的の図書館に入り、歴史の本のコーナーを探していると、“ブラックナイトの伝説”と書かれた本を見つけた。
禍々しい絵が描かれた表紙をめくる。
黒い渦が発生し、巨大化したポケモンが暴れ、ガラルを滅ぼしかけたこと。
それらは「英雄」によって鎮められたこと。
意外にも資料らしきものは見当たらず、それしか情報を得ることは出来なかった。
ミオ図書館は屈指の量の書物が保管されている場所であるにも関わらず、これだけしか見当たらないとなると、ソニアが苦戦するのも納得がいった。
「あら?もしかして・・・なまえちゃん?」
声をかけられて振り向くと、黒いコートに長い金髪、すらりとした長身の美女。
シンオウチャンピオンのシロナが立っていた。
最後に会ったのはいつだったか、久しぶりに会えたことに喜びつつ、どうしたの?と聞かれて事情を説明する。
シロナは考古学者としても名高く、母レリアとも親交が深い。
レリアが講師として行っていた勉強会にも、よく顔を出していた。
場所を変えましょうか、と申し出たシロナは図書館を出て、港の近くのおしゃれなカフェに案内すると、なまえにはお茶とケーキを、ポケモンたちにはおやつをご馳走してくれた。
鍛えられたガブリアスを筆頭に、さすがはチャンピオンのポケモンと言うべきであろう強さと貫禄を兼ね備えたシロナのポケモンたちと、バクフーンとライチュウもすぐ打ち解けたようで、仲良くおやつを食べている。
「ガラルのブラックナイトは謎が多いのよ。ガラル地方にしか存在しないダイマックスが関連しているのは間違いないのだけれど・・それが暴走した結果ではないか、とかいろいろ憶測はあるけれど、本当かどうかはわからないわ」
ここまで専門的に詳しいシロナですら謎が深いとなると、長期戦になりそうだと改めて覚悟をすることとなった。
それと、とシロナは言いにくそうに切り出した。
「ニュースで知ったわ、先生とイリヤ博士のこと・・・行方不明というのは本当のことなの?」
『・・・はい、確かです』
信じたくないと心のどこかでは思っていたのだろう、なまえの返事に明らかに暗くなったシロナの表情に、心が痛んだ。